「1度も聞いてない、私だけ外された」役員会を欠席していた女性。だが、私が突きつけた事実に絶句
公園で浴びせられた言葉
行事の下見で集まった公園でのことだった。
私の顔を見るなり、同じ役員の一人が声を張った。
「1度も聞いてない、私だけ外された」
周りにいた役員が、いっせいにこちらを向いた。
「記念品のことも集金のことも、誰も教えてくれなかった」
娘が小学6年生の年、町内の子供会で親が役員を分け合っていた。
決めることは多く、集まりは1年で12回になった。
その12回ほとんどを、彼女は欠席していた。連絡は毎回している。
候補の日を三つ挙げて都合を聞き、決まった日を改めて伝える。返事はいつも一言だった。
「その日は用があるので」
家庭の事情は外からは見えない。
詮索はせず、決まったことは紙にして配った。
ただ、そこで止めたのは私の落ち度だった。意見を書いて返せる形にしておくべきだったのだ。
それでも、身に覚えのない話は増えていった。
授業参観の日には廊下で呼び止められた。
「さっき私のこと、無視したでしょう」
挨拶はしたつもりだった。何を言い返しても届かず、電話が鳴るだけで肩が上がるようになった。
3学期に開いた一冊
3学期の役員会に、私は一冊のファイルを持っていった。
1年分の連絡の履歴と、出欠の記録が綴じてある。
日付と、その日に誰へ何を伝えたか。それだけだ。
彼女がいつもの話を始めたところで、私はファイルを開いて机の真ん中に置いた。
「これまでの連絡の履歴です」
声は張らない。責める言い方もしない。
紙の上にはこれまでの日付が並び、そのすべてに連絡の記録と、欠席の印がついていた。
彼女の目が、上から下へ動いた。途中で止まり、また上へ戻る。
口が開きかけて、そのまま何も出てこない。伸ばしかけた指が、紙に触れないまま引っ込んだ。
部屋が静かになった。誰も彼女を責めなかった。ただ、手元の紙とファイルを見比べて、小さくうなずいている。
彼女は机の一点を見つめたまま、言葉を失っていた。
勝ち負けの話ではない。来られない人がいる前提で、やり方を変えればいいだけのことだ。
その日を境に、身に覚えのない話はなくなった。残りの任期は拍子抜けするほど穏やかで、集まりのたびに書面が一枚増えただけだった。
卒業式の日、体育館の入口で彼女のほうが先に頭を下げた。私も同じだけ頭を下げた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














