「さっさとどけよ!」と前の車に毒づく運転席の彼。赤信号で降りた私はタクシーで帰宅し、彼の連絡先を即ブロック
ハンドルを握ると人が変わる彼
初めての遠出で、運転席の彼は前の車に舌打ちして怒鳴りました
付き合っている彼と、初めて遠出のドライブに出かけた日のことです。待ち合わせの朝、彼は少し照れた顔で助手席のドアを開けてくれて、私は胸をはずませて乗り込みました。
彼はふだん、歩く速さまで私に合わせてくれる穏やかな人です。運転席に座る横顔も頼もしく見えて、この日は楽しい一日になると信じていました。
ところが、走り出してしばらくすると、前の車がゆっくり進み始めたとたん、彼が大きく舌打ちをしました。
「さっさとどけよ!」
聞いたことのない低い声に、私は思わず体をこわばらせました。
聞き間違いだと思いたかったのですが、彼は前の車をにらんだままでした。
彼は前の車に怒鳴り続け、私はバッグを握りしめて黙りました
前の車が減速するたび、彼の文句は止まりません。私は膝の上のバッグの持ち手を握りしめ、視線を落としたまま黙っていました。何か言えば、怒りの矛先がこちらに向きそうで怖かったのです。
「そこで止まるなよ!」
顔も知らない相手にまで、こんなに荒い言葉を投げつけるのかと思うと、彼への気持ちが急速に冷めていきました。
同じ車に乗っている私まで恥ずかしくなり、楽しみにしていたドライブは、早く終わってほしいだけの時間に変わってしまいました。
赤信号で止まった車の中で
赤信号の車内で、私はシートベルトを外し、降りると告げました
大きな交差点の手前で信号が赤に変わり、車が止まりました。それでも彼は、前の車への悪態を続けていました。
その横顔を見つめているうちに、我慢の糸がぷつりと切れました。ここで黙っていたら、この先も同じ思いをするだけです。私はシートベルトの留め具を押して、外しました。
肩から帯が離れると、ようやく息ができた気がしました。
「降ります。もう乗れません。」
口に出してしまうと、不思議なほど気持ちは落ち着いていました。
「あなたの運転が怖くて恥ずかしい。」
私は交差点でタクシーに乗って帰り、彼の連絡先をブロックしました
それ以上は何も言わずにドアを開け、車を降りました。
私の後ろ姿を見ながら、彼は気の抜けた声を上げました。
「えっ、本当に降りたのか?」
彼を残していくことに、ためらいはありませんでした。
私は歩道に出て、流しの空車に手を挙げました。
後部座席に座るとすぐ、彼からの電話やメッセージが届かないように設定しました。
あとで二人を知る友人に聞いたところ、彼は私が「怖い」と言った意味が分からず、自分の運転のどこが悪いのかも考えないまま、『信号待ちで勝手に降りるなんて、ありえない』と周りに話して回っているそうです。
友人から聞いた限り、彼が自分の運転を振り返った様子はありませんでした。あの日車を降りたことを、後悔したことは一度もありません。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














