「次から、私、行くのやめようかな」食事会の帰りに妻が漏らした本音。会計のたびに姿を消す義弟への対策とは
会計の時間になると席を外す義弟
2年ほど前のことです。私たち親戚8人は、年に何回か、少し高めの和食店の個室に集まっていました。
支払いは、全員が同じ額を出し合う割り勘と決めていました。
ところが、妻の弟だけは、毎回決まって会計の時間になると席を外すのです。
デザートの皿が下げられ、私が伝票を広げて電卓をたたき始めると、義弟はすっと立ち上がります。
「ちょっとトイレ行ってくるわ」
別の食事会では違う理由を口にしますが、戻ってくるのは、いつも私たちが支払いを済ませたころでした。
「あれ、もう払ったの?俺の分はいくら?」
楊枝をくわえながら、何事もなかったように聞いてきます。
「もう払っておいたから、いいよ」
「そう?悪いな、ありがとう」
そんなやり取りをするたびに、私は何とも言えない気持ちになりました。
もちろん、その場で義弟に支払いを求めればいい話です。ただ、せっかくの親戚の集まりでお金のことで揉めるのも嫌で、つい曖昧に済ませていました。
しかし、同じことが5回以上も続けば、さすがに気になります。
ある食事会の帰り道、妻がぽつりと言いました。
「次から、私、行くのやめようかな」
「やっぱり、気になってた?」
「うん。毎回あれだと、ちょっとね……」
妻もずっと不満を感じていたようです。
私も、これ以上は今までどおりにしないほうがいいと思いました。
義弟が戻ってきたとき、店員が差し出したもの
次の食事会の前に、私は親戚たちに相談しました。そして予約の際、店にもお願いをしておきました。
「今回は、一人ずつ別々にお会計をお願いできますか」
当日、食事会はいつもどおりに進みました。
食事が終わりに近づいたころ、店員の女性が個室に入り、一人ずつに分けた伝票を配り始めました。
すると、義弟は自分の伝票が配られる前に立ち上がりました。
「ちょっと車に上着を取りに行ってくる」
今回も、会計の直前に席を外したのです。
店員は残った一枚を手に、「こちらの方は?」と尋ねました。
「今、席を外しているので、戻ってきたら渡してもらえますか」
私がそう答えると、店員はうなずきました。
しばらくして、義弟が上着を腕にかけて戻ってきました。
ちょうど入口付近にいた店員が、義弟に伝票を差し出します。
「こちら、お客様の分です」
「え?あ、俺の?」
義弟は伝票を受け取り、不思議そうに私たちを見ました。
「今日は別々なの?」
「うん。今回は一人ずつ払うことにしたんだ」
私がそう答えると、義弟は一瞬黙りました。
「ああ、そうなんだ」
それ以上は何も言わず、伝票を手元に置きました。
その後、義弟は自分の財布を出して、きちんと自分の分を支払いました。
店を出たあと、妻の妹の夫が私の横に並んで、ぽつりと言いました。
「最初から、こうしておけばよかったな」
「本当にそうだね」
私も思わず笑ってしまいました。
それからの食事会では、毎回一人ずつ会計するようになりました。
義弟が会計の時間に上着を取りに行くことも、あれから一度もありません。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














