「内定、2社しかもらえてないの」と嘆くフリで自慢する友人。いつも受け流していた私が笑顔で返した一言
学食で聞こえた友人のなげき
学食で友人は嘆くふりをして、内定2社を自慢しました
私は大学四年生で、いまは就職活動の真っ最中です。
お昼は、学食の隅にある長テーブルで、大学で知り合った友人と並んで過ごすことが多くなりました。
友人は明るくて話しやすい人です。
ただ、私をほめたあとに、決まって引っかかる一言を付け足す癖がありました。
髪を切ったと言えば『いいね。私なら短くしないけど』、ゼミの発表の話をすれば『えらいね。うちの班は先生にほめられたよ』。
笑って受け流してきましたが、小さな引っかかりは少しずつ積もっていきました。
その日も、昼ごはんを食べ終えた私たちは、紙コップの飲み物を手に、就職活動の話をしていました。友人は眉を下げて、ため息をつきました。
「内定、2社しかもらえてないの。」
友人はほめたあと必ず自分を上に置く人で、私は言葉に詰まりました
私はまだ、一社からも内定をもらっていません。友人はそれを知っているのに、紙の切れ端を細く折りながら、話を続けました。
「この先、ほかに決まる気がしない。」
困った顔をしているのに、口元だけはほんの少し上がっています。
私には、悩みを打ち明けているというより、内定があることを自慢しているように見えました。
内定のない私が本音を言えば、ひがんでいるだけに聞こえます。だから今までは、いつも『うらやましいな』と笑って返し、場を丸めてきたのです。
そう思うと喉がつかえて、私は紙コップを握ったまま、ぎこちない笑顔を作ることしかできませんでした。
友人は私の様子に気づく気配もなく、紙の切れ端を折り続けています。
笑顔で友人に答えた私
私は友人のいつもの言い回しを、そのまま友人に返しました
けれど、その日は友人に言われてきた言葉が次々と頭に浮かびました。
そこで私は、いつも友人から言われる「ほめたあとに一言付け足す」話し方で返してみようと思いました。
友人の目を見て、にっこり笑いました。
「2社も、すごいね。」
まずほめてから、「でも」と続ける。これまで友人に繰り返されてきた話し方を意識しました。
「でも、もっといい会社も狙えるよね。」
声の調子まで、友人が普段使う調子に合わせました。
友人は目をそらして黙り、私は気持ちが軽くなりました
友人の作っていた表情が固まりました。目がテーブルの上をさまよい、笑みは消えています。
「そ、そうかな。」
か細い声で答えたあと、友人は何かを言い返そうとして口を開きましたが、言葉は出てきません。そのまま目をそらして、紙コップを両手で握りしめました。
友人を責める気持ちは、不思議とわきませんでした。
私は背筋を伸ばし、握っていた紙コップを持ち直しました。
「お茶、おかわり取ってくるね。」
胸の奥に居座っていた重いものが、ふっと軽くなりました。
その日の帰り道、足取りはいつもより軽く感じられました。友人の言葉を、これまでのように気にしすぎなくてもいい。そんな気持ちになれたのです。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














