「あとから来る車のために取ってるのよ!」朝市の駐車場で場所取りする女性。だが、誘導係が告げたひと言に思わず沈黙
朝市の駐車場で、ようやく見つけた空きスペース
以前から気になっていた漁港の朝市へ、車で出かけた日のことです。
市場の周辺は朝から多くの人でにぎわっていて、駐車場もほとんど埋まっていました。
私は空いている場所を探しながら、駐車場の中をゆっくり進んでいました。
しばらく回ったところで、ようやく一台分の空きスペースを発見。
そこへ車を入れようとしたのですが、スペースの真ん中に女性が立っていました。
女性はこちらを見ているものの、動く様子がありません。
私は窓を下ろして声をかけました。
「すみません。ここに停めたいんですが…」
「ここは使うから、ほかを探して」
女性はそう言って、顔をそむけました。
周りを見ても、そのスペースに入ろうとしている車はありません。
「あの、車はまだ来ていないんですか?」
すると女性は両手を広げ、スペースをふさぐように立ちました。
「あとから来る車のために取ってるのよ!」
どうやら、これから来る車のために場所を確保しているようです。
事情は分かりましたが、駐車場はほぼ満車です。目の前に空きがあるのに停められないことに、困惑してしまいました。
誘導係がやって来て、女性に声をかけると
「でも、ここに人が立っていたら、ほかの車も停められないですよね」
私がそう伝えると、女性は少し声を大きくしました。
「だから、取ってあるって言ってるでしょ。ほかに行ってよ!」
後ろを見ると、空きスペースを探している車が何台も続いています。私の車が停まっているため、後続車も進めない状態でした。
そこへ、誘導灯を持った男性の誘導係が小走りでやって来ました。
「どうされましたか?」
私が事情を説明しようとすると、女性が先に口を開きました。
「ここ、うちの車が来るから取ってるんです。もうすぐ来るんですよ」
それを聞いた誘導係は、落ち着いた口調で答えました。
「そうでしたか。ただ、こちらでは人が立っての場所取りはご遠慮いただいているんです」
「えっ、でも、もうすぐそこまで来てるんですけど」
「申し訳ありません。車が来た順番にご案内していますので、お連れ様が到着されてから、空いている場所をご案内します」
女性は納得できない様子で、私の車をちらりと見ました。
「じゃあ、この車が先に停めるってこと?」
「はい。こちらのお車が先にいらしていますので」
誘導係がそう答えると、女性は少しの間黙っていました。
そして、小さくため息をつき、広げていた手を下ろしてスペースの外へ移動しました。
誘導係は私のほうを向き、誘導灯で合図を出しました。
「お待たせしました。どうぞ、こちらへ」
私はゆっくりと車を入れ、ようやく駐車することができました。
後ろに並んでいた車も、誘導係の案内で順に動き始めます。
車を降りて誘導係にお礼を伝えると、男性はそのまま次の車の案内に戻っていきました。
女性はスペースの外で、駐車場の入り口のほうを見ていました。
正直、途中からは言い争いになるのではないかと心配でしたが、誘導係が間に入ってくれたおかげで助かりました。
私はほっとしながら、朝市へと向かいました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














