「3週間届かない、どういうこと!」コールセンターで激怒した客。だが、客が告げた事実と対応に思わず絶句
データを総ざらいしたのに商品が見つからない
通販のコールセンターに短期サポートとして入っていたとき、いつも以上に強い口調のクレームが入ってきた。
女性のお客様で、3週間経っても注文した商品が届かないと、立て続けに訴えてくる。
「3週間届かない、どういうこと!」
「こちらに商品データがございません」とは言えないまま、私はまず発注担当を呼んで一緒に確認することにした。
担当者はパソコンをフル稼働させてあらゆる検索をかけてくれた。
品名、品番、日付、カテゴリ、どう調べても、お客様の言う商品は出てこない。
担当者が首を振るたびに、胃のあたりがじわじわと重くなっていった。
「もしかして発送側のトラブルかもしれない」「商品名の表記が変わったのかもしれない」と、考えられる可能性を片っ端から潰していく。それでも、見つからなかった。
しばらく調べてから、私は電話口に戻って正直に告げた。
「こちらには該当商品がございません」
そう伝えた上で、もう少し詳しい情報をいただけないかとお願いした。
「だから商品名は言ったじゃないですか!」とお客様はさらに語気を強めた。
私はひたすら「申し訳ございません」と繰り返しながら、商品名の読み方を変えて再度調べるよう担当者に目で合図を送った。
「別のカタログでした」ガチャ切り後の静寂
何度かの沈黙の後、電話口から紙をめくるような音が聞こえてきた。
お客様が何かを確認しているらしい。音だけが続いて、言葉がない時間が流れた。
少し経ってから、声のトーンが変わって届いた一言があった。
「あら、別の通販会社のカタログを見ていました。そちらの商品ではありませんでした」
そしてガチャ、という音とともに電話は切れた。
謝罪の言葉はなかった。「すみません」の一言もなく、会話はそこで終わった。
受話器を置いた後、担当者と顔を見合わせた。「よくあることだよ」と担当者は苦笑いで言ったけれど、私は素直に頷けなかった。
数十分をかけて一緒に調べ、謝り続けた時間はいったい何だったんだろう、と。
間違い自体を責めたいわけではない。誰でも手元に複数の通販カタログがあれば、混乱することはある。
でも、長い時間をかけて一緒に探し続けた相手に対して、一言の謝罪もなく電話を切るというのは、どうしても腑に落ちなかった。
あの丁寧に積み上げた確認作業は、まるでなかったことのように消えていった。コールセンターを離れた後も、あのガチャ切りの音はしばらくの間、耳に残り続けていた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














