「試作の資料で発表とか、仕事以前の問題だよ」他人が作った資料を横取りするお局。だが、社長の一喝で状況が一変
社長プレゼンを堂々と乗っ取ったお局
会議室の前列で、勤続15年のお局のベテラン女性社員が立ち上がりました。
手元には、見覚えのある資料。
私が前日、共有フォルダに置いておいたものです。
表紙の作成者名だけが、彼女の名前に書き換えられていました。
お局は気に入らない後輩を雑用係に追いやり、成果だけは「私の指導の結果です」と部長に流す人。
今日も社長の前で、その流儀を披露しに来たわけです。
私はそのコピーされる流れを読み切って、わざと完璧に「見える」資料を共有フォルダに置いておきました。
手元のフォルダの中には、本物の最終版がきちんと閉じてあります。
何も言わず、フォルダを軽く撫でて、彼女の発表を見届けました。
数値ひとつで崩れた手柄の発表
プレゼンが始まって数分。社長が一行目の数字を指差しました。
「この前提、現状とずれてるんじゃないの?」
お局の声が止まりました。
あの数値は、私が罠としてだけ仕込んだダミーの値。
中身を読まずにコピーした人には、答えられない問いなんです。
「えっ、あ、それは……」
言葉が出ないまま、お局の顔から血の気が引いていきました。
会議室の空気が一気に冷えていくのを感じます。
私は静かに席を立ち、本物の最終版を社長の前に置きました。
「彼女がお使いなのは試作段階のです。修正済みはこちらになります」
そう前置きして、淡々と解説を進めるあいだ、彼女はずっと、立ったまま動けませんでした。
隣に座っていた部長も、口を真一文字に結んだまま、私の手元に視線を落としています。
重要案件から静かに外されたお局
解説が終わると、社長はお局のほうへ向き直りました。
「試作の資料で発表とか、仕事以前の問題だよ」
全員の視線が集まる中、お局はうつむいたまま、何も返せませんでした。
普段なら早口で言い訳を重ねる人なのに、その日は声も出ない様子です。あの日のしどろもどろは、長く社内で語り継がれることになります。
その後、お局は重要プロジェクトの担当から外されました。会議で名前が呼ばれることも、ぱたりと途絶えたんです。
後輩への雑用押し付けも、しばらくしてぱったり途絶えました。
怒鳴り合うわけでもなく、糾弾の場を作るわけでもなく、ただ自分の手元に本物を握っておく。それだけで、長年の理不尽がほどけていきました。
盗む手は、いつか自分で握りつぶしてしまう。あの一言で、私は長年のモヤモヤから静かに解放されました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














