tend Editorial Team

2026.10.01(Thu)

「若いんだから、もっと詰めろよ」満員電車で責められ続けた僕。だが、隣の会社員が口を開いた瞬間

「若いんだから、もっと詰めろよ」満員電車で責められ続けた僕。だが、隣の会社員が口を開いた瞬間

満員電車で、さらに一人が座ろうとしてきた

その頃の僕は、毎日ほぼ同じ時間の電車で帰っていました。

夕方の車内はいつも混んでいて、座れた日は鞄を膝に乗せ、なるべく場所を取らないようにしていました。

その日は座席の真ん中あたりに座っていました。右隣には書類の入った鞄を抱えた会社員の男性、左隣には参考書を開いた学生が座っています。

次の駅で、50代くらいの男性が混み合う車内へ乗ってきました。

そして僕たちの座席の前まで来ると、僕と学生の間に体を入れるように腰を下ろそうとしたのです。

僕も学生も反射的に体を寄せましたが、すでに3人が並んで座っていました。そこへさらに一人が入ると、肩が重なるほど窮屈でした。

すると男性が、僕のほうを見て言いました。

「若いんだから、もう少し詰めろよ」

「すみません…」

僕は鞄を胸に抱え、足をそろえてさらに体を縮めました。

それでも男性は納得していない様子で、少しするとまた、

「もっと詰められるだろ」

と言ってきます。

そのまま三駅ほど、男性は何度か同じようなことを口にしました。

向かい側にはつり革につかまった乗客が何人も立っていましたが、僕は気まずくて顔を上げられませんでした。

隣でずっと見ていた会社員の一言

三駅ほど過ぎたころ、右隣の会社員が膝の上の鞄を持ち直しました。

そして男性のほうを向き、落ち着いた声で言いました。

「最初からかなり詰めて座ってますよ」

男性が会社員を見ます。

会社員は続けました。

「ここ、もう3人座ってますから」

強い言い方ではありませんでした。ただ、ずっと隣に座って状況を見ていた人の言葉だったからか、男性は何も返しませんでした。

向かいに立っていた女性も、こちらを見て小さくうなずいていました。

次の駅で扉が開くと、男性は黙って立ち上がり、そのまま別の車両へ移っていきました。

「ありがとうございます」

僕が会社員に頭を下げると、男性は少し笑って、

「いや、ずっと見てましたから」

とだけ返してくれました。

すると向かいに立っていた女性も、つり革を握ったまま僕に声をかけました。

「ずっと言われてましたよね。大丈夫ですか?」

その言葉を聞いた瞬間、それまで張りつめていた気持ちが少しだけほどけました。

僕はもう一度頭を下げ、胸に抱えていた鞄を、ゆっくり膝の上へ戻しました。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.10.05(Mon)

「えー、かわいい!これ着る!」買い物に失敗したと思った母。数年後、娘を見て笑った理由
tend Editorial Team

NEW 2026.10.05(Mon)

「昨日のは、なんていう曲?」隣のお風呂の歌声を気にしていた私。だが、ママ友の一言で固まった理由
tend Editorial Team

NEW 2026.10.05(Mon)

「Mなら余裕だよ」とサイズ表を見なかった私。だが、届いたジャケットを長男が着て分かった勘違い
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.09.01(Tue)

「こっちは98円なのに、なんで?」精肉売り場で値段を疑う客。だが、私が見せた表示とは
tend Editorial Team

2026.02.12(Thu)

高市政権は短命に終わる?ひろゆき氏が語る積極財政の落とし穴と日本経済崩壊へのカウントダウン
tend Editorial Team

2026.05.15(Fri)

「内祝いは直接持ってくるもんでしょ」人のマナーには厳しい義妹。だが、入学祝いを送った時の義妹の態度に絶句
tend Editorial Team