「まだなの?子どもも待ってるんですよ」満席の店で苛立つ父親。だが、店長が伝えた正論
満席の店で、何度も頭を下げる店員さん
週末の昼、友人と入った定食屋は、正午を過ぎるころには満席になっていました。
ホールでは二人の店員さんが、料理を運んだり会計をしたりと休む間もなく動いています。
通路を挟んだ向かいの席には、父親と母親、小さな男の子と女の子の四人家族が座っていました。
しばらくすると、父親が近くを通った年配の女性店員さんを呼び止めました。
「すみません、料理まだですか?けっこう待ってるんですけど」
「お待たせして申し訳ありません。確認してまいります」
店員さんはすぐに厨房へ向かいました。しかし店内は混み合っていて、家族の料理はなかなか運ばれてきません。
さらにしばらくして、同じ店員さんが近くを通ると、父親は再び声をかけました。
「さっきも聞いたんだけど、まだなの?子どもも待ってるんですよ」
「申し訳ありません。ただいま順番にお作りしております」
「その順番が、あとどれくらいなのか聞いてるんです」
父親の声が少し大きくなり、周囲の客も何人かそちらを見ました。私が壁の時計に目をやると、家族が席に着いてから恐らく30分ほどたっていました。
店長が確認した「あと2組」という順番
ほどなくして、厨房から店長が出てきました。
年配の店員さんから事情を聞き、手元の端末を確認してから家族の席へ向かいます。
「お待たせして申し訳ありません。確認しました」
父親が「あとどれくらいですか」と聞くと、店長は落ち着いた声で答えました。
「ただいま、ご注文をいただいた順にお作りしています。お客さまの前に、あと2組ございます」
「そんなの、こっちには分からないですよね」
「はい。ご案内が足りず、申し訳ありません。あと2組お出ししたあとに、お客さまのお料理をお持ちします」
店長が具体的に順番を伝えると、父親は少し黙りました。
すると母親が父親の腕に触れ、「あと2組だって。もう少し待とう」と小さく声をかけました。
父親も「……分かりました」と答え、椅子に座り直しました。
その後、店長が説明した通り、先に待っていた二つのテーブルへ料理が運ばれ、そのあと家族の定食も順に並びました。
会計を終えて店を出るとき、父親は入口近くにいた年配の店員さんへ足を止めました。
「さっきは、すみませんでした」
「いえ、お待たせして申し訳ありませんでした。またお越しください」
父親は小さく頭を下げ、家族と一緒に店を出ていきました。
混雑していて待つ側もつらかったのでしょう。それでも、順番が分からないまま待つのと、「あと2組」と分かったうえで待つのとでは、受け止め方も少し違うのだと感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














