「私は行きませんので、皆さんで楽しんできてください」ランチの仲間外れを知った母親が、保護者グループに返した言葉
少人数への連絡だと思っていたのに
夕食の片づけを終えた夜、台所に置いていた携帯電話が震えました。
届いたのは、幼稚園の保護者からのグループメッセージでした。
「週末のランチ、今回は1人抜きで集まろうよ」
「ランチは土曜の12時、あの人には内緒ね」
送ってきたのは、クラスの集まりをいつも取りしきっている40代くらいのお母さん。周囲からはボスママと呼ばれている人です。
彼女は以前から、気の合う保護者だけをランチに誘うことがあり、私も何度か参加していました。
そのため、今回もいつもの少人数のグループへの連絡だと思い、何気なく読み進めていました。
ところが、続いて届いたメッセージには、誘わない相手として同じクラスのお母さんの名前が書かれていたのです。
その人は物静かで、送り迎えでも会釈を交わす程度の関係でした。
「えっ、ちょっと待って……」
嫌な予感がして、メッセージの送信先を確認しました。
表示されていた参加人数は12人。
そこは少人数のグループではなく、クラス全体の連絡用グループだったのです。
しかも、名前を出されたお母さん本人も入っています。
「うそ……本人にも届いてるじゃない」
思わず声が漏れました。
既読の数は増えていくのに、誰からも返信がありません。
私も何と書けばいいのか分からず、携帯電話を握ったまま固まっていました。
「今のは冗談で」慌てた釈明への返信
10分ほどたったころ、ようやくボスママからメッセージが届きました。
「ごめん、今のは冗談で」
その一文を見て、私は余計に気まずくなりました。
冗談と言われても、相手の名前まで出していたのです。本人がどう受け止めたのか、気になって仕方がありませんでした。
すると、名前を出されたお母さんから返信がありました。
「土曜の12時ですね。教えてくださってありがとうございます。私は行きませんので、皆さんで楽しんできてください。ただ、クラスの連絡はこれからも普通に送ってもらえると助かります。子どものことなので」
怒りをぶつけるわけでも、相手を責めるわけでもありません。
それでも、その言葉を読んで胸が痛くなりました。
しばらくすると、それまで黙っていたほかのお母さんたちからも返信が届き始めました。
「土曜は、私も遠慮します」
「私もです。せっかくなら、全員に声をかけて集まりませんか?」
その提案を見て、私もようやく返信しました。
「それがいいと思います。公園なら子どもも一緒に行けますね」
そこから少しずつ、クラスのみんなで集まる日取りの相談が始まりました。
ボスママから、それ以上の返信はありませんでした。
翌日からグループには、また普段どおり幼稚園の連絡が流れるようになりました。
翌月の公園で、彼女が口にした言葉
翌月、幼稚園の近くの公園に、クラスの保護者と子どもたちが集まりました。
あのとき名前を出されていたお母さんも参加していました。
ボスママは少し離れた端のほうに座っていて、いつもより静かでした。
私の隣に腰を下ろしたお母さんは、水筒のお茶を飲みながら、ふと笑顔を見せました。
「来てよかったです。子どもが、ずっと楽しみにしていて」
そう言って、砂場へ駆けていく子どもたちに手を振っていました。
あの夜、彼女がどんな気持ちでメッセージを返したのか、私には分かりません。
ただ、目の前で楽しそうに遊ぶ子どもたちを見て、あのとき全員で集まる話になってよかったと思いました。
保護者同士の付き合いには、いろいろな考え方があります。それでも、誰かをわざわざ仲間外れにする必要はないはずです。
あの夜の誤送信と、彼女の落ち着いた返信は、今でも忘れられません。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














