「金の貸し借りはするなって言ってるのに」2年前に貸した1万円を返さない友人。その場にいた後輩が漏らした一言
来月返すと言われた1万円
その友人とは、20年以上のつきあいになります。
2年前のある夜、めずらしく沈んだ声で電話がかかってきました。
「悪い。家賃が1万円だけ足りなくてさ。来月には返すから、貸してくれないか」
長いつきあいだったこともあり、私はその晩のうちに友人の部屋まで1万円を届けました。
「助かった。本当にありがとう」
玄関先で、友人は何度も礼を言いながら受け取りました。
ところが翌月、近所のコンビニで会ったときに返済のことを聞くと、友人は少し困ったように笑いました。
「悪い、今月もちょっときつくてさ。もう少し待って」
私はその言葉を信じて待つことにしました。しかし半年たっても、1万円が返ってくることはありませんでした。
その一方で、会うたびに見覚えのない上着や腕時計を身につけている友人を見ると、どうしても引っかかります。
「なあ、前に貸した1万円、そろそろ返してもらえないか」
そう聞いたこともありました。
「細かいこと言うなよ。そのうち返すって」
面倒そうに返されると、それ以上強く言えませんでした。そうしているうちに、返済されないまま2年が過ぎました。
2万円の靴を自慢する友人
ある夜、コンビニの駐車場で友人とばったり会いました。
隣には、職場の後輩だという30代くらいの男性がいました。
少し立ち話をしていると、友人が片足を前に出し、得意げに靴を見せました。
「見てくれよ。この靴、2万円したんだ」
「いいっすね。先輩、それ前から欲しがってましたもんね」
後輩にほめられた友人はうれしそうでした。そして私の足もとを見ると、笑いながら言いました。
「お前、まだその靴履いてるのか」
その瞬間、ずっと言えずにいたことが口から出ました。
「…2万円の靴が買えるなら、2年前に貸した1万円は、もう返せるよな」
友人の笑顔が消えました。
隣にいた後輩も驚いた顔で友人を見ます。
「先輩、お金、借りたままなんですか?」
友人は何も答えませんでした。
すると後輩が、少し戸惑いながら続けました。
「俺にはいつも、『金の貸し借りはするな』って言ってるじゃないですか」
友人はしばらく黙っていましたが、やがて上着のポケットから財布を取り出しました。
そして1万円札を1枚抜くと、私のほうへ差し出しました。
「…悪かった。これでいいだろ」
私はその札を受け取りました。
「うん。これで貸し借りなしな」
友人は財布をしまい、それ以上、靴の話をすることはありませんでした。
たった1万円でも、返すと言ったまま2年放置されれば、金額以上に引っかかるものがあります。ようやく返してもらえたことにはほっとしましたが、長いつきあいだからこそ、お金のことは曖昧にしないほうがいいのだと感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














