「レジ係の接客を一からやり直せ」30円引きで若い店員を責め続けた男性。だが、責任者が取った対応とは
30円引きの札と、貼られていないシール
休日の夕方、地元のスーパーで夕飯の買い物をしていました。食品レジはどこも混んでいて、私が並んだ列にも5人ほどが待っています。私は前から3番目でした。
レジを担当していたのは、20代くらいの女性店員です。
先頭にいた50代くらいの男性客が、会計の途中で総菜のパックを裏返しました。
売り場には「夕方から30円引き」という札が出ていましたが、男性のパックには割引シールがありません。
「これ、30円引きだろ。なんでシールが貼ってないんだ」
「申し訳ありません。確認いたしますので、少々お待ちください」
店員が確認しようとすると、男性は総菜のパックをレジ台に強く置きました。
「確認じゃないよ。見れば分かるだろ。こんなのも分からないのか」
店員は「申し訳ありません」と頭を下げましたが、男性の声はさらに大きくなります。
「さっきから遅いんだよ。責任者を呼んでくれ」
店員は呼び出しのボタンを押しました。その手は少し震えていました。
責任者を待つあいだも、男性は「こんなことで客を待たせるな」「ちゃんと教育してるのか」と店員に言い続けています。
隣のレジに並んでいた人たちまでこちらを見ていました。
私も声をかけようか迷いましたが、男性の剣幕に何も言えませんでした。
責任者が店員の前に立った
10分近くたったころ、40代くらいの男性の責任者がやってきました。
事情を聞き、売り場の札と総菜を確認すると、男性客に頭を下げます。
「申し訳ございません。こちらは30円引きの対象です。シールの貼り忘れでしたので、30円お引きいたします」
男性は責任者ではなく、女性店員のほうを見ました。
「だったら最初からそうすればいいだろ。レジ係の接客を一からやり直せ」
責任者は店員の前に立つように位置を変えました。
「ご指摘は私が承ります。ここからは私が対応いたします」
男性はまだ何か言おうとしていましたが、責任者はそのまま会計の確認を進めました。
「30円お引きして、こちらの金額になります」
それまで何度も店員に向けられていた男性の言葉が、そこで止まりました。
ふと後ろを振り返った男性は、レジに並んだままの私たちを見ると、黙って財布を開きました。
会計を済ませると、総菜を手に取り、そのまま早足で店を出ていきました。
責任者は列に向かって「お待たせして申し訳ございません」と頭を下げました。そして女性店員に小さな声で何かを伝えると、しばらくその場に残っていました。
ようやく私の番になりました。
女性店員は少し赤くなった目元のまま、こちらを向きます。
「大変お待たせいたしました」
私は「大丈夫ですよ」とだけ返しました。
30円の割引を確認するだけなら、ここまで長引くことではなかったはずです。間違いを指摘することと、目の前の店員を責め続けることは別なのだと感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














