「まだですか、もう10分待ってるんですけど」料理を催促し続ける女性客。店長が伝票を確認して説明したこと
何度も店員を呼ぶ隣の女性客
昼どきのレストランは、どのテーブルも埋まるほど混み合っていました。
友人と私が案内された席の隣には、40代くらいの女性客が1人で座っていました。
ちょうど若い女性店員が注文を聞き終えたところで、伝票に何かを書き足しています。女性客の向かいの空席にも、水のグラスが置かれていました。
しばらくして、私たちの料理が運ばれてきました。
すると、隣の女性客が腕時計を見て、店員を呼び止めたのです。
「すみません。私の料理、まだですか?」
「お連れ様がいらしてから、一緒にお出しするように伺っていたのですが…」
「ああ、そうだった。でも、もう先に持ってきてください」
「かしこまりました。厨房に伝えますね」
店員は伝票を確認し、厨房へ向かいました。
ところが、それから10分ほどたったころ、女性客は再び手を上げました。
「まだですか、もう10分待ってるんですけど」
「申し訳ありません。ただいまお作りしています」
「さっきから待ってるんだけど。あとどれくらいかかるの?」
店員はもう一度厨房に確認しに行きました。
ほどなくしてパスタとスープが運ばれてきたのですが、女性客はスープをひと口飲むなり顔をしかめました。
「ちょっと、これぬるいんだけど。作り直してもらえる?」
「申し訳ありません。すぐにお取り替えします」
新しいスープが運ばれてくると、今度はパスタの皿を指さしました。
「盛り付けも雑じゃない?ちゃんと確認してるの?」
店員は困った表情で頭を下げました。
店長が確認した注文の内容
女性客は腕を組み、不満そうに言いました。
「もう、この店どうなってるの?店員さんの教育、ちゃんとしてる?」
若い店員の手が小さく震えているのが、隣の席からも見えました。
店員は「申し訳ありません。責任者を呼んでまいります」と言い、その場を離れました。
しばらくして、40代くらいの男性店長が伝票を持ってやってきました。
若い店員も、その後ろに控えています。
「お料理のことでご不快な思いをさせて申し訳ありません。ご注文について、少し確認させてください」
店長は伝票に目を落としました。
「最初は『お連れ様が来てから、一緒に出してください』というご希望でしたね」
「ええ。でも、途中で先に出してって頼みましたよ」
「はい。変更のご希望も、こちらに記録されています」
店長は落ち着いた声で続けました。
「最初はお連れ様をお待ちして、調理を保留しておりました。先にお出しするよう変更をいただいてから、お作りし始めたんです」
「…あ、そういうことだったの」
女性客は少し驚いた表情を浮かべました。
「お時間がかかることを、こちらからもう少しきちんと説明すべきでした。申し訳ありません」
さらに店長は、後ろの店員に目を向けました。
「ただ、担当の者は最初のご希望も、その後の変更も、きちんと厨房に伝えておりました」
女性客は一瞬、言葉に詰まったようでした。
「スープがぬるかった点は、もちろんこちらの不手際です。盛り付けについても確認いたします」
そう伝えると、女性客は小さくうなずきました。
「…分かりました」
それまでの強い口調は消え、女性客は静かに食事を再開しました。
店長の後ろでは、若い店員がほっとしたように息をついていました。
私と友人も、ようやく落ち着いて食事を続けられました。
食後、友人がデザートを注文すると、先ほどの店員が笑顔で応じてくれました。
最初の希望が途中で変わり、料理を作り始める時間も変わっていたこと。店長がそれを整理して伝えたことで、ようやく女性客にも事情が伝わったようでした。
料理の不備は店側の問題です。それでも、若い店員が何もしていなかったわけではありません。
店長がその点をきちんと説明してくれたことに、私もほっとした出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














