tend Editorial Team

2026.10.14(Wed)

「自転車2台くらい平気だろ」注意されても動かさなかった男性。だが、撤去期限を守らなかった結果

通路をふさいでいた2台の自転車

私の住むマンションは、自転車は1階の駐輪場に置く決まりで、通路には物を置かないことになっていました。

ところが去年の春ごろから、同じ階に住む50代くらいの男性が、部屋の前に自転車を2台置くようになったのです。

男性は駐輪場まで行くのが面倒なようで、2台が並ぶと通路はかなり狭くなります。

ベビーカーを押して通る私には、毎日のことだけに困っていました。

ある日、帰ってきた男性に思い切って声をかけました。

「すみません。自転車、もう少し寄せてもらえませんか。ベビーカーが通りにくくて…」

男性は自転車をちらりと見ると、疲れたような顔で答えました。

「今帰ってきたばっかりなんだ。あとにしてくれよ」

そう言って部屋に入り、自転車はそのままです。

その後、管理会社から通路に物を置かないよう注意の紙が貼られました。それでも状況は変わりませんでした。

別の日、男性と顔を合わせたとき、私はもう一度だけ伝えました。

「注意の紙も出ていますし、ここは空けてもらえませんか」

すると男性は紙を見て、鼻で笑うように言いました。

「自転車2台くらい、通路に置いても平気だろ」

「でも、いざというときに通れないと困ります」

「そんなこと、めったにないだろ」

それ以上言っても話にならず、私は引き下がりました。

やがて管理組合が2台の自転車に撤去を予告する札を付けました。

ところが翌朝、その札はちぎられ、ゴミ置き場に捨てられていました。

誰が破ったのかは分かりません。

それでも自転車は動かないままで、私は毎朝、ベビーカーを慎重に動かしながら狭い横を通っていました。

撤去期限の朝、理事長が呼び止めた

撤去期限を過ぎた平日の朝、ベビーカーを押して通路へ出ると、2台の自転車の前に60代くらいの理事長と、40代くらいの管理会社の担当者が立っていました。

ちょうど部屋から出てきた男性に、理事長が声をかけます。

「すみません。この自転車のことで少しお話があります」

男性は眉を寄せました。

「朝から何だよ」

理事長は落ち着いた声で説明しました。

「先月の消防の点検で、共用通路に物が置かれていることについて指摘がありました。この2台も、そのままにはできません」

男性は黙って自転車を見ました。

続いて担当者が、破られた札の写真を見せます。

「撤去予告の期限は昨日まででした。今日ここで駐輪場へ移していただけない場合は、予定どおり対応します」

男性はしばらく黙ったあと、小さな声で言いました。

「…自転車くらいで、そこまでしなくてもいいだろ」

理事長は声を荒らげることなく返しました。

「毎日ここを通る方もいますから。通路は空けておいてください」

男性は何も言わず、自転車を1台ずつエレベーターへ運び、駐輪場へ下りていきました。

あの日から、通路に自転車が置かれることはなくなりました。

その朝、私は久しぶりにベビーカーを押したまま、まっすぐ通路を歩くことができました。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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