「どこも具合は悪くないので」ナースコールと外線電話を間違えた私。事務職員の返答に、病棟中が笑いに包まれた瞬間
ナースコールに追われる昼どき
私は50代の看護師で、病棟で働いています。
長年この仕事をしていると、ナースコールを取った瞬間、自然と「どうされましたか?」という言葉が出てきます。
その日は昼どきになっても病棟が落ち着かず、ナースコールのランプが次々と点いていました。
呼ばれるたびに病室へ向かい、戻ればまた別の呼び出し。
点滴の交換や記録も重なり、ナースステーションは慌ただしい空気に包まれていました。
若い男性看護師がカルテを抱えながら、小さくため息をつきました。
「午後の検査の方、まだ残ってますよね…」
「うん、まだだね。順番に回ろう」
みんな忙しそうで、雑談する余裕もありません。
そんなとき、ナースステーションの電話が鳴りました。
ナースコールの対応を終えた後輩が、私に声をかけてきました。
「外線です。お願いしてもいいですか?」
「うん、出るよ」
私は電話の近くにいたので、そのまま受話器を取りました。
外線電話なのに、まさかの一言
本来なら、病棟名と自分の名前を名乗るところです。
ところが、何度もナースコールに対応していたせいか、頭の切り替えができていませんでした。
受話器を耳に当てた瞬間、私はいつもの調子で話し始めてしまったのです。
「はい、どうされましたか?具合が悪いですか?」
言い終わった瞬間、ハッとしました。
(あれっ?今の、外線だよね…?)
すぐ近くにいた看護師も、驚いたように私の顔を見ています。
電話の向こうは一瞬、静かになりました。
そして、戸惑ったような男性の声が返ってきたのです。
「えっ?いや、私、事務の者です。患者じゃないんですが…」
相手は、出先から病棟へ連絡してきた病院の事務の男性でした。
「あっ!すみません!ナースコールと間違えました!」
私は慌てて謝りました。
すると、電話の男性が笑いながら答えたのです。
「いやいや、大丈夫ですよ。どこも具合は悪くないので」
「本当にすみません…。いつものくせで、つい……」
恥ずかしさで顔が熱くなり、受話器を持ったままうつむいてしまいました。
その様子を見ていた近くの看護師が、とうとう吹き出しました。
「ちょっと、患者さんじゃないんですから!」
私の最初の一言も、慌てて謝る声も聞こえていたので、事情はすっかり伝わっていたようです。
先ほどまでため息をついていた男性看護師も笑い出し、周りのスタッフにも笑いが広がりました。
「もう、笑わないでよ!私だってびっくりしたんだから!」
そう言いながら、私自身もおかしくなってしまいました。
さっきまで張りつめていたナースステーションの空気が、少しだけ和らいだ気がしました。
男性看護師は笑いながらカルテを持ち直しました。
「ああ、なんか元気出ました。検査、行ってきます!」
「もう、忘れてよね!」
そう返す私の顔は、まだ熱いままでした。
それ以来、あの事務の男性から電話が来ると、後輩が決まってにやにやしながら取り次いでくれます。
「事務さんからです。今日も、どこも悪くないそうです」
「もう!いつまで言うの!」
そのたびに恥ずかしくなりますが、今では私も笑ってしまいます。
忙しい病棟で起きた、ちょっと恥ずかしくて、忘れられない出来事です。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














