「20人の予約、あんたの係でしょ!」泣いて私に押しつける同窓会の幹事が、私が出したハガキを見て頭を下げた
予約のない店先
同窓会の当日、幹事の遥と2人で会場の店へ向かいました
大学の仲間と10年ぶりに集まる同窓会。言い出したのは遥で、幹事も自分から買って出てくれました。私は少し手伝っただけです。
当日は遥と待ち合わせ、始まる30分前に会場の店へ向かいました。案内に載っていた地図を頼りに歩きます。
「幹事は、私に任せて!」
「頼りにしてるね」
出欠の返事は全部私が預かってるの、人数は当日まで内緒よ、と遥は得意げに笑いました。
店に予約はなく、遥は泣きながら私の係だと言い出しました
ところが店の人によると、遥の名前でも私の名前でも、今日の予約は入っていないというのです。
遥は血の気の引いた顔で、私に向き直りました。
「20人の予約、あんたの係でしょ!」
「えっ、私が…?」
役割を決めた電話で、予約はあんたって言ったじゃない、と遥は涙声で続けます。遥とは、毎週のように長電話をする仲です。言った、言わないになれば、私には打ち消す手がありません。
後から着いた美加も、泣く遥の肩を持って私を疑いました
そこへ、早めに着いた美加がやって来ました。遥はハンカチを取り出して目を押さえ、美加に泣きながら事情を話します。
「電話で頼んだのに…」
「沙織が、忘れたの?」
美加は遥の腕に手を添えながら、遥にそう聞き返しました。遥は昔から皆の中心です。泣いている遥と、黙って立つ私。どちらが信じられるかは明らかでした。
幹事の涙のゆくえ
電話で何を話したかは証明できず、私は言葉に詰まりました
仲間は、あと20分ほどで集まり始めます。遥は顔を覆ったまま、沙織のせいで全部台無しだと繰り返しました。
「みんなに、ちゃんと謝りなよ」
「でも、私は…」
言葉に詰まったそのとき、遥が店の前で胸を張った、さっきのひと言を思い出しました。私は肩のバッグの口を開けました。
私は遥が作って全員に送ったハガキを出し、役割を見せました
遥が美加の前に出て、私に詰め寄ります。
「早く謝ってよ!」
私が取り出したのは、1枚のハガキです。役割を決めたあの電話の後、遥が自分で作って仲間全員に送った同窓会の案内でした。地図の下に、遥が打った文字があります。『お店の予約・出欠は幹事の遥まで』『名簿:沙織』。
「お店の予約は、遥って書いてある」
「人数だって、さっき知ったよ」
出欠の返事は全部遥に届き、20人という数も、私はさっき遥の口から初めて聞いたのです。
言い逃れできなくなった遥は、私に深く頭を下げました
人数も知らない私に、20人の予約は取れません。遥は何か言いかけて、口を閉じました。涙は、いつの間にか止まっていました。少しして美加が、うちにも同じハガキが届いてる、と小さくつぶやきました。
「ごめん、私が忘れてた…」
「みんなには、遥から伝えてね」
遥が店に頼み込みましたが、空くのは前の宴会が終わる1時間後の、奥の座敷だけでした。遥は集まった仲間一人ひとりに、自分の手落ちで1時間待たせると頭を下げて回りました。美加は私の隣で、疑ってごめんね、と言いました。
※本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














