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2026.10.15(Thu)

「ちょっと開けてちょうだい!」引っ越しのあいさつでお菓子を渡した翌朝。隣の奥さんからのお返しに、思わず笑ってしまった理由

「ちょっと開けてちょうだい!」引っ越しのあいさつでお菓子を渡した翌朝。隣の奥さんからのお返しに、思わず笑ってしまった理由

引っ越した翌朝、玄関から聞こえた大きな音

15年ほど前、今の家に引っ越してきたときの話です。

引っ越し当日の夕方、私はお菓子の箱を持って、隣のお宅へあいさつに行きました。

出てきたのは、エプロン姿の奥さん。私たちと同じように、少し前に引っ越してきたばかりだそうです。

「あら、お隣さん!これからよろしくね!」

奥さんはにこにこしながら迎えてくれました。

ほんの数分の立ち話でしたが、感じのいい人で安心したのを覚えています。

ところが、その翌朝のことです。

私はまだパジャマ姿で、山積みの段ボールから食器を探していました。

すると突然、玄関から大きな音が響いてきたのです。

ドンドン、ドンドン!

誰かが扉をたたいています。インターホンは鳴らず、何度も扉をたたく音だけが続きました。

「えっ、誰…?」

まだ着替えてもいなかった私は、とっさに居留守を使おうとしました。

廊下の壁に背中をつけ、じっとしていると、今度は声が聞こえてきました。

「すみませーん!お隣ですー!」

昨日あいさつした奥さんの声でした。

知っている人だと分かって少し安心したものの、今度は別の心配が浮かんできました。

もしかして、昨日のお菓子に何か問題があったのでしょうか。あいさつの仕方が失礼だったのでしょうか。

考えているあいだにも、奥さんの声が響きます。

「いるんでしょー?ちょっと開けてちょうだい!」

もう隠れているわけにもいきません。

笑顔で渡された紙袋の中身は

私は覚悟を決め、パジャマ姿のまま玄関の扉を半分ほど開けました。

すると、そこには小さな紙袋を持った奥さんが立っていました。昨日と同じエプロン姿で、満面の笑みを浮かべています。

「ああ、よかった!やっぱりいたのね!」

「あ、すみません。まだパジャマで…」

「いいのよ、そんなの!昨日お菓子もらったから、お返しね!」

そう言うと、奥さんは私の胸もとに紙袋を差し出しました。

「えっ、わざわざありがとうございます」

「今度、お茶でも飲みましょうね!」

奥さんは明るく手を振り、そのまま自分の家へ戻っていきました。

扉を閉めた私は、紙袋を抱えたまま玄関に座り込みました。

「なんだ、お返しか…。びっくりした」

あれほど緊張していたのに、奥さんはただお礼を届けに来てくれただけだったのです。

ようやく落ち着いた私は、台所で紙袋を開けてみました。

お菓子のお返しだから、きっと中身もお菓子だろうと思っていました。

ところが、出てきたのは消臭スプレーが1本。

「えっ、消臭スプレー!?」

思いがけない品物に、私は段ボールの山を前にして吹き出してしまいました。

なぜ消臭スプレーだったのか、その理由は今も聞けていません。

ただ、当時は新しい家のにおいが気になっていたので、実際に使ってみると驚くほどよく効きました。

その後、奥さんにお茶に呼ばれたことをきっかけに、私たちは親しくなりました。

あれから15年。今では、いちばん仲のいいご近所さんです。

つい先日も、朝から玄関をたたく音がして、聞き慣れた声が響きました。

「いるのは分かってんのよー!煮物、作りすぎちゃった!」

昔と変わらない奥さんの声に、思わず笑ってしまいました。

15年前はあんなに怖がっていたのに、今ではパジャマ姿でも平気で扉を開けています。

あの朝の消臭スプレーを思い出すたび、今でも少しおかしくなるのです。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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