「汚い服、並べるのやめて!」試着で汚した服を店のせいにし、私に謝らせる客。だが、2枚の服を見て頭を下げた
試着室から出てきた客
新作の追加分が入荷した日、試着室から出てきた客が服を押しつけてきました
私はショッピングモールの小さな洋服店で、販売員をしています。
その日は、先週から販売している新作の白いブラウスが追加で入荷した日でした。
私は売り場の端に置いた検品用のワゴンで、ブラウスを透明な袋から1枚ずつ出し、襟元まで汚れがないか確かめていました。
確認を終えた服は、ワゴンの上に重ねていきます。
同じ形のブラウスは、すでにラックにも並んでいました。
ハンガーを取りに奥へ行って戻ると、試着室のカーテンが開きました。
出てきた40代くらいの女性客が、丸めた白いブラウスを私の胸に押しつけます。
「これ、いらないわ。」
「襟が汚れてるじゃない!」
襟の汚れを確かめると、客は店のせいだと声を張り上げました
襟元をめくると、内側に肌色のファンデーションがべったりこすれていました。
試着のときにお化粧が、と言いかけた私を、彼女は大きな声でさえぎりました。
「汚い服、並べるのやめて!」
「ラックのハンガーにかかってたのよ!」
私の後ろのラックにも、同じ白いブラウスが何枚も掛かっています。
ハンガーで見た時から汚れていたと、客は言い張りました
彼女はさらに声を張り上げました。
「ハンガーで見た時、もう汚れてた!」
「本部に言うわよ!」
近くで服を選んでいたお客さんたちが、何ごとかとこちらを振り返りました。彼女は腕を組んで胸を張りました。
みんなの前で謝れという声
みんなの前で謝れと言われ、私は頭を下げました
私は奥へ行っていて、彼女がどこから服を取ったのか見ていません。ラックに同じ服がある以上、違うとは言い切れませんでした。
店長は休みでした。商品の状態を十分に確かめないまま、こちらから客を疑うわけにもいきません。
「みんなの前で謝りなさい!」
「申し訳ございません。」
私は丸めたブラウスを胸に抱えたまま、深く頭を下げました。
広げた服には、袋にたたまれていた十字のしわがありました
顔を上げ、丸まったブラウスをたたみ直そうと広げると、胸元に折り目の線がくっきり残っていました。縦と横に交わる、十字のたたみじわです。
私はあることに気づきました。
ラックに並べるブラウスは、袋から出して検品したあと、スチームでたたみじわを伸ばしてからハンガーに掛けています。
一方、追加で届いたばかりのブラウスには、まだ袋に入っていたときの折り目が残っていました。
私は後ろのラックへ行き、掛かっていた同じブラウスと、女性が返したブラウスを並べて見せました。ラックの商品には、あの十字のたたみじわがありません。
「袋のたたみじわが残っています。」
「ハンガーには、かかってません。」
少なくとも、私がスチームを掛けて整えたラックの商品とは状態が違います。
女性が持っていたのは、私が奥にいる間にワゴンから取ったブラウスではないか。そう考えると、つじつまが合いました。
客は自分の言葉を返されて頭を下げ、ブラウスを買い取りました
彼女は2枚を見比べ、急に小さな声になりました。
「袋の中で、汚れてたのかも。」
「ハンガーで、見たのでは?」
先ほどまでラックから取ったと言い張っていた女性は、答えに詰まった様子でした。
私は追加分のブラウスを袋から出す際、襟元まで1枚ずつ確認していました。その時点では、ファンデーションの汚れは見当たりませんでした。
ただ、試着の瞬間を見ていたわけではありません。私はそれ以上責めず、女性の返事を待ちました。
周囲のお客さんたちの視線が集まる中、彼女は口を引き結び、目をそらして、浅く頭を下げました。
みんなの前で謝れと言った本人が、今度は自分から頭を下げたのです。
その後、女性は汚れたブラウスを自分で購入すると申し出て、定価で買い取りました。
女性はそれ以上、本部への連絡を口にしませんでした。
※本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














