「来月で、この部屋を出ようと思う」2年同棲した彼女。だが、貯金用口座を確認した男性が別れを決めた理由
クローゼットの奥に、見覚えのない箱があった
模様替えをしようと言い出したのは私でした。同棲を始めて2年、荷物が増えた部屋を一度きちんと片づけようと思ったのです。
彼女が仕事に出ている土曜の朝、クローゼットの奥に手を伸ばしました。
掛かっていたコートを寄せると、壁ぎわに白い箱が積まれています。
数えると全部で7つ。どれも彼女が好きな、私でも名前を知っている鞄のブランドの箱でした。
その横には、買い物でもらったらしい明細が何枚かまとめて置かれていました。
日付を見ると、この2年の間に買ったものばかりです。
鞄を買うこと自体が悪いとは思いません。自分で働いたお金ですし、私も好きなものを買うことはあります。
ただ、その箱を見て、ひとつ気になることがありました。
同棲を始めたころ、私たちは将来のための貯金用として、私名義の口座をひとつ作っていました。
毎月、金額は少なくてもいいから、無理のない範囲で二人とも入れていこうと話していたのです。
私は毎月8万円を入れていました。ただ、彼女がいくら入れているかまで確認したことはありませんでした。
そこで久しぶりに入金履歴を確認しました。
彼女からの入金は、2年間で一度もありませんでした。
夜、彼女に聞いてみた
仕事から帰ってきた彼女に、私はクローゼットで見つけた箱のことと、口座を確認したことを話しました。
「掃除してたら、鞄の箱が出てきたんだ」
彼女は少し嫌そうな顔をしました。
「勝手に見たの?」
「箱を開けたりはしてないよ。ただ、貯金のことが気になって口座を見た」
私は入金履歴を見せました。
「2年間、1円も入ってなかった」
彼女はしばらく画面を見てから、小さな声で答えました。
「入れようとは思ってたよ。でも欲しいものもあったし」
「だったら、そう言ってほしかった」
彼女は「あなただって好きなものは買ってるじゃない」と言いました。
確かに私も買い物はしていました。問題なのは、鞄を買ったことではありません。
二人で貯めようと話していたのに、2年間一度も入金せず、そのことを何も言わなかったことでした。
私のほうから、同棲を終わらせた
しばらく話しましたが、彼女は「これから入れればいいでしょう」と繰り返しました。
けれど私が引っかかっていたのは金額ではありませんでした。
「来月で、この部屋を出ようと思う」
彼女が顔を上げました。
「それって、別れるってこと?」
「うん。俺はそうしたい」
彼女は「そんなことで」と言いました。
私にとっては、そんなことではありませんでした。将来のために決めたことを守れなかったなら、せめて途中で話してほしかったのです。
月末、私たちは荷物を分けました。
彼女はクローゼットにあった7つの箱も持っていきました。
玄関を出る前、彼女が貯金用の口座について聞きました。
「あのお金はどうするの?」
「俺が入れた分しかないから、口座はこのまま俺が持つよ」
彼女は何も言わず、箱を抱え直しました。
別れを決めた理由は、高い鞄を買っていたからではありません。
同じ将来を考えているつもりだったのに、実際にはそうではなかった。そのことに気づいてしまったからでした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














