「最近、何か隠してない?」大好きなアイスを買わなくなった夫。隠し事を疑った私が、棚の奥の小さな瓶を見て赤面
突然なくなったコンビニの袋
新婚のころ、私たちの暮らしにはあまり余裕がありませんでした。
小さなアパートの家賃を払うと、手元に残るお金はわずか。外食もずっと我慢していました。
そんな毎日の中で、夫のささやかな楽しみは、仕事帰りにコンビニで買うアイスでした。
夕食のあと、おいしそうにアイスを食べる夫。その幸せそうな顔を見るのが、私も好きだったのです。
ところが、ある日を境に、夫がアイスを買ってこなくなりました。
翌日も、その次の日も、いつものコンビニの袋がありません。
「ねえ、最近アイス買ってないね。やめたの?」
「ああ、最近ちょっと、ね」
「ちょっとって?あんなに好きだったのに」
「まあ、いいじゃない。気にしないで」
夫は笑ってごまかすばかり。節約しているのかと思いましたが、どうにも気になりました。
さらに、気になることがありました。
夜になると、夫が居間の棚の前にしゃがみ込み、奥のほうで何かをごそごそと触っているのです。
そのたびに、ジャラジャラと小さな音が聞こえてきます。
どう聞いても、小銭の音でした。
「何してるの?」
そう聞いても、夫ははっきり答えません。
好きなアイスを我慢して、お金をためているのでしょうか。それなら、どうして私には何も話してくれないのでしょう。
気になり始めると、夫が棚に近づくたびに目で追ってしまいます。
何か隠しているに違いない。いつの間にか、私はそんなふうに考えるようになっていました。
棚の奥から出てきた小さな瓶
とうとう我慢できなくなった私は、夫に聞きたいことを紙に書き出しました。
いつからなのか。何のためのお金なのか。どうして黙っているのか。
書いているうちに、すっかり名探偵になったような気分です。
その夜、夫がまた棚の奥に手を伸ばしたとき、私はメモを握りしめて声をかけました。
「ねえ、ちょっといい?」
「ん?どうしたの?」
「最近、何か隠してない?ちゃんと話してほしいんだけど」
夫は少し驚いた顔をして、それから困ったように笑いました。
「ああ、これのこと?」
そう言って棚の奥から取り出したのは、小さなガラスの瓶でした。
中には、500円玉がすき間なく詰まっています。
夫はその瓶を両手で持ち、少し照れくさそうに私へ差し出しました。
「アイス我慢した分」
「……え?」
「ほら、最近ずっと外食してないでしょ。これでおいしいもの食べに行こうと思って」
「えっ、私と…?」
夫は照れくさそうに笑っていました。
私は一瞬、何も言えなくなりました。
夫がこっそりためていたお金は、私に隠れて何かを買うためではなく、二人で外食するためのものだったのです。
手の中には、あれこれ疑って書いたメモが残っています。
あんなに真剣に推理していた自分が恥ずかしくなり、顔が一気に熱くなりました。
「あれ、どうしたの?顔、真っ赤だよ」
「ちょ、ちょっと暑いだけ!」
慌ててメモを背中に隠す私を見て、夫は不思議そうに首をかしげていました。
まさか夫の優しさを、あんなふうに疑っていたなんて。とても言い出せませんでした。
その週末、私たちは瓶を抱えて近所の居酒屋へ出かけました。
久しぶりに夫と向かい合って食べた料理は、どれも本当においしく感じました。
あの小さな瓶を思い出すたびに、今でも少し恥ずかしくなります。でも、それ以上に、心が温かくなる思い出です。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














