「まだ返してないの?」友人のひと言に言葉を詰まらせた彼。旅行代金を集める場で明かされた3万円の貸し借り
返してほしいと言うたびに、話をそらす彼
以前付き合っていた彼から、生活費が足りないと相談されたことがあります。
「給料日には必ず返すから」と頼まれ、私は3万円を貸しました。好きな人が困っているなら、力になりたいと思ったのです。
ところが、約束の給料日を過ぎても返済の話は出ません。
思い切って聞くと、彼は申し訳なさそうに言いました。
「ごめん、今月ちょっと厳しくてさ。もう少し待ってくれない?」
すぐには返せないのかもしれない。そう思って待つことにしました。
けれど、その間も彼は友人と遊びに行った話や、おいしかった店の話を楽しそうにしていました。
もちろん、出かけること自体を責めたいわけではありません。
ただ、私との約束が後回しになっているようで、複雑な気持ちでした。
ある夜、カフェで向かい合っていたとき、私はもう一度切り出しました。
「ねえ、貸したお金なんだけど。いつごろ返せそう?」
すると彼は、ため息をついて手を振りました。
「またその話?付き合ってるんだから、そんなに急かすなよ」
「でも、給料日に返すって…」
「だから、もうちょっと待ってって」
それ以上言えなくなり、私は目の前のカップに視線を落としました。
返してほしいと言っただけなのに、どうしてこちらが気まずくなるのでしょう。
旅行代金を集める彼に伝えた一言
しばらくして、私たちは共通の友人たちと旅行に行くことになりました。
幹事に名乗り出たのは彼です。
旅行代金は、出発当日に一人ずつ集めると決まっていました。
当日の昼、駅の待ち合わせ広場に旅行かばんを持った友人たちが集まりました。
彼は封筒を手に、順番に代金を受け取っています。
「次、お願い。出発前に全員分そろえたいから」
私の番になり、彼が封筒を差し出しました。
私は財布を出さず、彼を見て言いました。
「私の分は、貸してる3万から引いておいて」
彼の手が止まりました。
「……え?」
近くにいた友人たちも、私たちのやり取りに気づいたようです。
「え、彼女からお金借りてたの?」
「まだ返してないの?」
「いや、それは……」
彼は言葉を探すように口を開きましたが、すぐには答えませんでした。私は彼を見たまま、続けました。
「旅行代を引いた残りだけ、返してくれればいいから」
彼はしばらく黙ったあと、自分の財布を取り出しました。そして私の旅行代金にあたる分を封筒に入れ、3万円からその代金を差し引いた残りを私に渡しました。
「……はい、これ」
「ありがとう」
受け取ったお札を財布にしまうと、隣の友人が私の肩をぽんとたたきました。
「よく言ったね」
旅行中、彼はどこか気まずそうで、友人たちの冗談にもあまり笑えていませんでした。
私も決して、友人たちの前でお金の話をしたかったわけではありません。それでも、何度お願いしても返してもらえなかった3万円が、ようやく精算できたことにはほっとしました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














