「領収書も貼ってね」仕事の飲み代5000円を必要経費と言った私。だが、妻の作った精算書を前に黙ってしまった瞬間
「仕事の付き合いだから」と言った私
結婚して間もないころ、私と妻は家計のことでよく話し合っていました。
妻は、何にいくら使ったのかをきちんと記録しておきたいタイプ。
一方の私は、レシートを受け取ってもすぐに捨ててしまうような性格でした。
ある夜、食卓で家計簿をつけていた妻が、私に尋ねました。
「先週の5000円、これ何だった?」
「ああ、仕事の付き合いで飲んだときのお金」
「それ、家のお金から出すの?」
私はあまり深く考えずに答えました。
「仕事の付き合いなんだから、必要経費みたいなものでしょう」
妻は一度こちらを見てから、「なるほどね」とだけ言いました。
それ以上何も言われなかったので、私はてっきり納得してくれたのだと思っていました。
食卓に置かれていた1枚の紙
翌週の夜、食卓に着くと、私の前に1枚の紙が置かれていました。
上には「経費精算書」と書かれ、日付や金額、誰とどんな目的で使ったのかを書く欄があります。
下には領収書を貼るための枠までありました。
「……何これ?」
紙を持ち上げると、向かいに座った妻が落ち着いた声で言いました。
「経費なら、来月10日までに精算書を出してください」
「本当に作ったの?」
「だって、家計から出すんでしょう?何に使ったか分からないと困るから」
さらに妻は、紙の下のほうを指さしました。
「領収書も貼ってね」
そこまで言われて、私は財布を開きました。
「それくらい、どこかにあるよ」
ところが、出てくるのはお札とカードばかりです。
「あれ…」
財布のポケットを全部確認し、今度はかばんの中も探しました。
外ポケット、内ポケット、底までひっくり返して、ようやく出てきたのは、くしゃくしゃになったガムの包み紙だけでした。
「……これしかない」
妻は包み紙を見て、少し笑いました。
「じゃあ、その5000円は今回はおこづかいからね」
私は何も言い返せませんでした。「必要経費」と言ったのは自分なのに、何に使ったのか残していなかったのです。
それ以来、わが家では家計から出すお金と、それぞれが自分で負担するお金をきちんと分けるようになりました。
仕事関係の飲み会でも、家計から出してほしいときは領収書を残し、妻の作った精算書に記入します。
先日、必要事項を書いて領収書を貼った紙を渡すと、妻は中身を確認してから笑いました。
「もうガムの包み紙は出てこなさそうだね」
あの日以来、財布の中の紙を簡単に捨てることはなくなりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














