「育ててもらった恩を忘れたの?」何度もお金を頼んできた母。だが、妹に相談すると信じられない事実が発覚
「娘なんだから当然でしょ」と言う母
「ちょっと困ってるのよ。お願いできない?」
母から電話がかかってくると、決まってお金の話になりました。
若いころから何度も頼まれてきましたが、断ると母は不機嫌になります。それが嫌で、私はいつもお金を渡していました。
けれど、私にも家庭があります。最近は家計に余裕がなく、夫と家計簿を見ながら話し合うことも増えていました。
母から着信があるだけで、またお金の話だろうかと気が重くなっていたのです。
ある晩、母に呼ばれて実家へ行くと、居間の座卓には健康器具のちらしが広げられていました。
「これ、ずっと欲しかったのよ。あんた、出してくれるでしょ?」
母は当然のようにちらしを差し出してきました。
「ごめん。今回はちょっと無理かな。うちも余裕がなくて…」
すると母は、驚いたように私の顔を見ました。
「えっ、何言ってるの?今まで出してくれてたじゃない」
「うん。でも、もう続けられないの」
私がそう答えると、母は不満そうにちらしを私の前へ押し出しました。
「娘なんだから、親に出すのは当然でしょ。育ててもらった恩を忘れたの?」
その言葉に、胸が苦しくなりました。
母には感謝しています。でも、だからといって、頼まれるたびにお金を出し続けることはできません。
そう伝えたかったのに、その場では何も言い返せませんでした。
妹も同じことを言われていた
その週末、私は妹と喫茶店で会い、母とのやり取りを打ち明けました。
すると、妹が驚いた顔で言いました。
「えっ、お姉ちゃんも?私もずっと頼まれてたよ」
「えっ、そうなの?」
「うん。しかも、お姉ちゃんには内緒にしてって言われてたの」
私は言葉を失いました。
母は私にも妹には話さないように言っていました。つまり、私たち姉妹はお互いに知らないまま、別々にお金を渡していたのです。
「なんだ……。私だけだと思ってた」
「私もだよ。もっと早く話せばよかったね」
そこで私たちは、今後のお金の出し方について話し合いました。
母への援助をすべて断るのではなく、二人で無理のない範囲を決めようということになったのです。
こうして、母のために使うお金を積み立てる通帳を一冊用意しました。
毎月、姉妹で決めた額だけを入れ、母に渡すお金はその通帳にある分だけにすると決めたのです。
母の前に置いた一冊の通帳
その後、母からまたお金を頼まれたとき、私は妹と一緒に実家へ向かいました。
居間の座卓に並んで座り、母の前で積立用の通帳を開きました。
「お母さん。これからは、出せるのは、この通帳からだけ」
母は通帳を見ながら、不思議そうな顔をしました。
「えっ、どういうこと?」
「妹と話し合って決めたの。ここにある分しか出せない。私たちにも生活があるから」
母は納得できない様子で、何か言いかけました。
そのとき、隣に座っていた妹が静かに口を開いたのです。
「お母さん、私にもお姉ちゃんには内緒にしてって言ったよね」
母の表情が変わりました。
「……え?」
「私たち、ちゃんと話したから。これからは二人で決めた範囲でしか出せないよ」
母は私と妹の顔を交互に見ました。そして、通帳へ視線を落としたまま、黙ってしまいました。
これまでは別々に頼めていたことを、私たちが知ったのです。それ以上、母から言い返されることはありませんでした。
それ以来、母が通帳にある分を超えてお金を頼んでくることはなくなりました。
実家を出た帰り道、隣を歩く妹がぽつりと言いました。
「もっと早く、二人で話せばよかったね」
「本当にね。ずっと一人で悩んでたから」
母との関係がすべて変わったわけではありません。それでも、妹と話し合えたことで、ようやく自分たちの生活を守るための線引きができた気がしました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














