「トレーごとちょうだい」朝食バイキングのプリンを取り続けた男性。だが、補充に来たスタッフの一言で態度が一変
次々と運ばれていくプリン
家族4人で、朝食バイキング付きのホテルに泊まった朝のことです。
小学生の息子は、食事を終えたらデザートにプリンを食べると楽しみにしていました。
隣のテーブルには、ひとりの男性客が座っていました。
男性はほかの料理にはあまり手をつけず、プリンを取ってきては食べ、また取りに行くことを繰り返していました。
「隣の人、またプリンだね」
夫が小声で言います。
「そうだね。息子の分も残ってるといいけど」
ところが、息子とデザートのコーナーへ向かうと、さっきの男性が残っていたプリンを次々と自分のトレーにのせていたのです。
男性の後ろに息子、その後ろに私が並びました。
息子がプリンを見ようと背伸びすると、男性が振り返りました。
「何?食べ放題なんだから、何個取ったっていいでしょ」
男性はプリンでいっぱいになったトレーを持ち、そのまま席へ戻っていきました。
息子は何も言わず、私の服のすそを握りました。
結局、私たちは何も取れないまま席へ戻ることになりました。
スタッフの一言に引っ込めた手
しばらくして、補充のプリンをトレーにのせた制服姿の若い女性スタッフが、デザート台の向こう側に現れました。
すると隣の男性がすぐに立ち上がり、台の前へ向かいました。
息子もその後ろに並び、私が続きます。さらに後ろには、ほかの家族の子どもたちも並んでいました。
男性はスタッフが持っているトレーに手を伸ばしました。
「トレーごとちょうだい」
スタッフはトレーを男性に渡さず、デザート台に置きました。
「申し訳ございません。おひとつずつお取りいただいております。後ろのお客様もお待ちですので」
スタッフが子どもたちのほうに手を向けると、男性は振り返りました。
「いや、俺が先に並んでたんだけど…」
確かに先頭は男性です。でも、その後ろにはプリンを待つ子どもたちが並んでいます。
スタッフは落ち着いた様子で、男性がひとつ取るのを待っていました。
男性はしばらく周囲を見ていましたが、やがて伸ばした手を引っ込めました。
そしてプリンをひとつだけ取ると、何も言わず席へ戻っていきました。
スタッフは息子に目線を合わせて笑いかけます。
「お待たせしました。どうぞ」
「ありがとうございます!」
スタッフは並んでいた子どもたちにも、順番にプリンを手渡していきました。最後の子まで行き渡ったのを見て、ほっとしました。
息子とプリンを持って席に戻ると、隣の男性はうつむいたまま、しばらくスプーンを手に取ろうとしませんでした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














