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2025.11.14(Fri)

「借金あるって知らなかったんでしょ?」と笑う義妹。披露宴の余興で暴かれた本当の姿とは【短編小説】

「借金あるって知らなかったんでしょ?」と笑う義妹。披露宴の余興で暴かれた本当の姿とは【短編小説】

幸せになるはずだった披露宴

私の人生で一番幸せな日になるはずでした。
純白のドレスを身にまとい、たくさんの友人や親族に祝福される。
隣には、優しい笑顔を浮かべる夫。披露宴は和やかに進み、私も緊張がほぐれてきたところでした。

「続きましては、新郎の妹様より、心温まる余興でございます!」

司会者の声が響き、夫の妹がマイクを持って高砂に近づいてきました。
彼女は、私より少し年下ですが、いつも自信満々で、正直なところ、少し苦手なタイプでした。

「お兄ちゃんのために、特別なスライドを作ってきました!」

スクリーンには、夫の幼い頃の写真が映し出され、会場は和やかな笑いに包まれました。
義両親も嬉しそうに頷いています。ここまでは、よくある微笑ましい余興でした。

義妹の暴露

しかし、スライドが進むにつれ、雰囲気が変わっていきました。
「お兄ちゃんの最近の趣味!」 そう映し出されたのは、競馬場や派手な飲み会の写真。
高価な腕時計やブランド品の写真も続きます。

「お兄ちゃん、昔から見栄っ張りで。これ、なーんだ?」

義妹はクイズでも出すかのように、明るい声で続けました。

「ぜーんぶ、借金して買ったものでーす!」

その瞬間、会場の音楽が止まったかのように静まり返りました。
夫は顔面蒼白になり、義両親も慌てた様子で席を立とうとしています。

理解が追いつかない私のもとへ、義妹がゆっくりと歩み寄ってきました。そして、耳元でこうささやいたのです。

「借金あるって知らなかったんでしょ?」

ニヤリと笑うその顔は、まるで悪魔のようでした。

「お兄ちゃん、昔からお金にだらしなくて。私みたいにしっかりしてないから。ま、お義姉さんも知れてよかったじゃないですか?」

マイクがハウリングする音で、私は我に返りました。
義両親が義妹を席に無理やり連れ戻し、スライドは慌ただしく消されました。

披露宴は、その後どうやって終わったのか、よく覚えていません。
ただ、夫の「本当の姿」と、それを笑顔で暴露した義妹の姿だけが、頭に焼き付いています。

あの日、暴かれたのは夫の借金だけではありませんでした。
優しいと思っていた夫の隠し事、そして、それを笑いものにする義妹の本性。
私の幸せな結婚生活は、始まる前から暗礁に乗り上げてしまったのです。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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