TOTOウォシュレットがアメリカで爆発的な人気を博した理由
日本のトイレ文化を象徴するTOTOの温水洗浄便座「ウォシュレット」が、ついに累計販売台数7000万台を突破しました。この数字は、日本国内だけでなく海外での需要、特にアメリカでの需要が急増したことが大きく影響しています。
ウォシュレットの歴史は1980年に始まり、日本では今やほとんどの家庭で見かけるほど普及していますが、海外、特にアメリカでは長らく「贅沢品」や「異文化の産物」として捉えられていました。しかし、ある出来事を境に状況は一変します。
新型コロナウイルス流行で起きた「トイレットペーパーパニック」
ウォシュレットがアメリカで脚光を浴びた背景には、新型コロナウイルスが世界的に流行した2020年春の出来事があります。外出制限やロックダウンの不安から、アメリカではトイレットペーパーの買い占めが起こり、店頭から一時的に商品が消える「トイレットペーパーパニック」が発生しました。
この未曾有の事態において、「トイレットペーパーを節約できる」ウォシュレットが一気に注目を集めることになります。必需品の不足という切実な問題に直面したことで、多くのアメリカ人がウォシュレットを「快適な製品」から「生活の必需品」へと認識を変えたのです。
SNS上でも、ウォシュレットの存在を知ったユーザーからの驚きや感謝の声が多く見られました。
「トイレットペーパーの棚が空っぽでも、ウォシュレットがあれば何も怖くないよ」
「日本にいる友人にずっと勧められていたけど、まさかこんな形で助けられるとは…」
「ウォシュレットが普及している日本人は賢い! これからアメリカのスタンダードになるべきだ」
といった、「日本の快適さを再認識した」という印象的な声が聞かれました。
日本のメーカーが追求してきた「おもてなし」の精神や「快適性」が、思いもよらぬ形で世界的な危機を乗り越える手助けになったことは、非常に興味深い出来事です。
日本では当たり前のウォシュレットも、清潔さや水資源への意識が高まる現代において、世界的なトレンドとなる可能性を秘めています。累計販売7000万台という数字は、単なる製品の普及ではなく、「日本の生活習慣が世界のスタンダードに変わる」一つの大きな兆しと言えるのかもしれません。
今回のパンデミックという経験が、グローバルな視点から見ても、ウォシュレットの価値を再定義し、さらに多くの国へと浸透させるきっかけになったのではないでしょうか。














