「パパすごい! 偉いねー!」たまに家事を手伝った夫を褒める子供たち。だが、私が家事のストライキをした結果
家事をたまにやると褒められる夫
カラン、コロン。
トイレから響く乾いた音。
予感は的中、ホルダーには茶色い芯だけが鎮座している。
「……またこれか」
トイレットペーパーの交換。
たった十数秒の作業。
でも、やるのはいつも私。
「お母さーん、シャンプーない!」
お風呂場からの呼び出し。
濡れた手で詰め替えパックを絞り出すのも私。
玄関に散乱する靴を無言で揃えるのも、私。
終わりのない「名前のない家事」。
気づいた人がやるはずが、我が家では「気づく人=私」という固定式ができあがっている。
そんな日常のモヤモヤが頂点に達するのは、週末。気まぐれに夫が家事をした瞬間だ。
「今日は俺が洗い物やるよ」夫が袖をまくると、リビングの子どもたちが色めき立つ。
「えっ! パパがやるの!?」
「パパすごい! 偉いねー!」
「やっぱりパパは優しい!」とキッチンはお祭り騒ぎ。
夫も「まあな、任せとけ」と鼻歌交じりで、まんざらでもない様子。
一方、私は365日休みなし。
料理も洗濯も掃除も、やって当たり前。
感謝どころか、ねぎらいの言葉ひとつない。
「お母さんは空気のような存在」。
そんな無言の圧力が、心に澱のように溜まっていく。
ある夜、またしても「パパすごい!」の大合唱が始まった時、私の中で何かが弾けた。
家事ストライキの結果
(そんなにすごいなら、全部やってもらおうじゃない)
私は満面の笑みで、手元の洗濯物を放り出した。
「そうだね!パパって本当にすごい!じゃあ明日から、お家のことは『すごいパパ』に全部お任せしようかな!」
「え?」と固まる夫。
「ママは『名前のない家事』を卒業しまーす!」
翌朝。
我が家はちょっとしたパニックに陥った。
「ママ、トイレットペーパーない!」
「あ、パパにお願いしてね」
「ママ、麦茶が空っぽ!」
「パパが出してくれるかもよ?」
「靴下がないー!」
「脱ぎっぱなしだからじゃない?」
散らかる玄関、補充されない日用品、溜まっていくゴミ。
私が先回りして消していた「不快」が、次々と可視化されていく。
家の中が回らなくなるのに、3日とかからなかった。
週末の夜、げっそりした顔の夫と、困り果てた子どもたちが私の前に整列した。
「……ごめん。家事って、料理や皿洗いだけじゃないんだな」
「ママがいないと、家の中がぐちゃぐちゃで嫌だ……」
私はゆっくりとお茶を一口。
「で? 我が家のスーパーヒーローは誰だったっけ?」
「「「ママです!!!」」」 食い気味の即答。
それ以来、我が家の景色は少し変わった。
「俺、ペーパー替えたよ!」
「靴揃えた!」 小さな報告と、私への「ありがとう」が増えた日常。
やっぱり、感謝の言葉は最高の美容液。
今の私は、モヤモヤの代わりにちょっとした優越感を感じながら、溜まった家事を片付けている。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














