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2026.09.30(Wed)

「こんなところにあったんですね」荷物で狭くなった隣家との通路。隣人とのトラブルの中で気づいた、小さな杭とは

「こんなところにあったんですね」荷物で狭くなった隣家との通路。隣人とのトラブルの中で気づいた、小さな杭とは

雨の朝、さらに狭くなっていた通路

雨の朝、傘を畳んで家の脇の細い通路に入ると、濡れた段ボールが肩に触れました。

そこはお隣との境目に沿った、私が裏の物置やゴミ置き場へ行くときに使う道です。

40代くらいのお隣の奥さんが、自転車や段ボールの荷物を境目ぎりぎりに置くようになって、もう数か月。

自転車の前輪や荷物の角が通路側へ出ていることもありましたが、私はそのたびに体をよけて通っていました。

ところがその朝、通路の端に置いていた植木鉢が斜めにずれ、そのすぐ横まで自転車の前輪が出ていました。

葉の先も折れ、受け皿には泥水がたまっています。

夕方、帰ってきた奥さんに門の前で声をかけました。

「すみません。植木鉢がずれて、葉も折れていたんです。自転車や荷物、もう少しそちらに寄せてもらえませんか」

奥さんは通路を見てから、少し困ったような顔をしました。

「でも、狭いんだもの。少しくらいいいじゃないですか」

「雨の日は、私も荷物をよけながら通っているんです」

「すぐにどけられる物ばかりですし、少しくらいいいじゃないですか」

同じ言葉をもう一度聞き、私は言いました。

「それなら、どこまでがお互いの側なのか、一度自治会長さんにも一緒に見てもらいませんか」

「…そこまでしなくても」

「毎日通る場所なので、確認しておきたいんです」

奥さんはそれ以上何も言わず、玄関へ入っていきました。

土の中から見つかった小さな杭

翌日、私は70代くらいの自治会長さんを訪ね、通路が狭くなって困っていることを話しました。

「毎日のことなら、一度一緒に見てみましょうか」

その日の夕方、自治会長さんは奥さんにも声をかけ、三人で通路を確認しました。

段ボールを少し動かして足元を見ると、土に埋もれるように、頭に赤い印のついた小さな杭がありました。

自治会長さんはしゃがみ込んで、それを見ました。

「ここに杭があったんですね。境目の目印にしていたものかもしれませんね。少なくとも、荷物は通路にはみ出さないように置いたほうがよさそうです」

奥さんも杭と自転車を見比べました。

「…こんなところにあったんですね」

その場で言い争いになることはなく、奥さんは自転車と段ボールを自分の家側へ寄せました。私はずれていた植木鉢を元の位置へ戻しました。

それからは、通路をふさぐように荷物が置かれることはなくなりました。

次の雨の朝、傘を差したまま通路を歩いていると、奥さんが自転車のサドルを拭いていました。私に気づくと小さく頭を下げ、自転車をさらに自分の側へ寄せてくれました。

私も軽く会釈をして、そのまま通路を抜けました。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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