「よその子に、勝手に注意しないでもらえます?」図書館で注意した私に怒鳴った母親。だが、閲覧席から一斉に視線が集まった瞬間
静かな図書館に響き始めた笑い声
昼下がりの図書館で、私は閲覧席に座って本を読んでいました。
近くには学生や年配の女性もいて、それぞれ机に向かっています。空調の音が聞こえるほど静かな時間でした。
ところが、小学生くらいの子どもが二人、棚と棚のあいだを行ったり来たりし始めました。
楽しそうな笑い声と足音が、閲覧席まで響いてきます。
初めは私も気にしないようにしていました。子どもですし、少しくらい声が出ることもあるでしょう。
でも、なかなか静かになりません。学生はペンを置いてため息をつき、年配の女性も何度も棚のほうを振り返っています。
私は本を閉じ、二人がいる棚の近くへ行きました。
目の高さを合わせるようにしゃがみ、できるだけ穏やかに声をかけました。
「図書館だから、もう少し小さな声でお話ししようね」
二人は少し照れたように笑い、こくりとうなずきました。
これなら大丈夫かな、と思ったそのときです。
雑誌コーナーのソファに座っていた、私と同じ年ごろの母親がこちらへ歩いてきました。私が二人に話しかける様子を見ていたようです。
「すみません。うちの子に何か言いました?」
「あ、はい。ちょっと声を小さくしようねって」
すると母親の表情が険しくなりました。
「よその子に、勝手に注意しないでもらえます?」
「すみません。でも、ほかの方も本を読んでいるので……」
そこまで言うと、母親は急に声を張り上げました。
「子どもなんだから仕方ないでしょ!」
その声は子どもたちの笑い声よりも大きく、静かな館内に響きました。
閲覧席にいた人たちが、いっせいにこちらを見ます。私まで騒ぎを起こしているように見えるのではないかと、居心地が悪くなりました。
母親の怒鳴り声に、職員がかけた言葉
そこへカウンターから女性の職員が歩いてきました。母親の正面で足を止め、落ち着いた声で話しかけます。
「すみません。館内ではお静かにお願いします。お声がかなり響いていますので」
母親は一瞬驚いた顔をし、何か言いかけて口を閉じました。周りの人たちの視線も、母親のほうに集まっていました。
職員は続けました。
「お子さんたちにも、走ったり大きな声を出したりしないよう、お伝えください。なるべくおそばで見ていただけますか」
母親は頬を赤くしたまま、子どもたちの手を取りました。
そして言い返すことなく、二人を連れて児童書のコーナーへ歩いていきました。子どもたちも、今度は声を出していません。
職員は私に小さく会釈をして、カウンターへ戻っていきました。私も会釈を返し、閲覧席へ戻ります。
もう一度本を開くころには、館内は元の静けさを取り戻していました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














