「母さん、俺たちはこの家に住むつもりはないよ」遺産は長男にと言い張る義母。だが、親族の前で長男本人が返した言葉
義母にとっては当たり前のこと
夫は次男で、結婚して26年になります。
義兄は50歳で結婚するまで実家を出たことがなく、身の回りのことは義母がほとんど引き受けていました。
一方、私たちは結婚してから月に一度は義実家を訪ね、孫の顔を見せたり、お祝いごとをしたりしてきました。
義母との関係も悪くないと思っていました。
ところが、ある日の出来事で、その気持ちが変わってしまったのです。
その日の昼下がり、義実家の居間で義母と話していたときのこと。夫が席を外すと、義母が突然、家と遺産の話を始めました。
「この家は長男にあげるからね。遺産も長男が継ぐものだと思ってるの」
あまりに突然だったので、私は戸惑いました。
「そうなんですか。でも、そういうことは夫にも…」
「長男が継ぐのは普通のことでしょ。次男のお嫁さんが口を出すことじゃないわよ」
私は慌てて首を振りました。
「いえ、口を出したいわけじゃないんです。ただ、私たちも今まで…」
「顔を見せに来るのは当たり前のことでしょう」
そこで私は何も言えなくなりました。
家や遺産がほしかったわけではありません。
ただ、孫を連れて何度も足を運んできたことまで、当然のように言われたのが悲しかったのです。
結局、その場ではそれ以上話せませんでした。
お正月、義兄が口にした言葉
それから迎えたお正月。義実家の居間には親族が集まっていました。
座卓には私と夫が並び、向かいには義兄と義兄の妻が座っていました。
食事の途中、義母がまた家の話を始めたのです。
「この家は長男に継いでもらうつもりだから。やっぱり、長男が継ぐのが筋だと思うのよ」
私は思わず夫のほうを見ました。夫は何も言わず、下を向いています。
すると、向かいにいた義兄が湯のみを置きました。
「母さん、俺たちはこの家に住むつもりはないよ」
「えっ、どうして?」
義母は驚いた顔で義兄を見ました。
「長男が継がなくて、誰が継ぐのよ」
「いや、そう言われてもさ。俺たちにも考えがあるんだから、勝手に決めないでほしいよ」
義母は少し困ったような顔をしました。
「でも、長男なんだから…」
「それに、弟たちだって、ずっと顔を見せに来てくれてたじゃないか」
義兄はそう言って、私たちのほうを見ました。
「俺は結婚するまで母さんに何でもやってもらってたけど、弟たちもずっと来てくれてただろ。そういうことも忘れちゃいけないと思うよ」
そして、義母に向き直りました。
「家のことは、みんなでちゃんと話そうよ」
隣にいた義兄の妻もうなずき、親族からも「そうだね」という声が上がりました。
義母はしばらく黙っていましたが、結局、それ以上は何も言いませんでした。
私も驚きました。義兄がそんなふうに考えてくれていたとは思わなかったからです。
それ以来、義母が「家は長男に」と繰り返すことはなくなり、家のことはきょうだいで話し合うことになりました。
その日、台所で片づけをしていると、義兄の妻がそっと声をかけてくれました。
「今まで、ありがとうね」
「いえ、そんな……」
私はそう答えて、小さく頭を下げました。
義母に言われたことが消えたわけではありません。それでも、これまでしてきたことを見てくれている人がいたのだと思うと、少し気持ちが軽くなりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














