「なんで2人とも寝てるの」夫と義母が寝ている近くで、陣痛の間隔を数えていた妻。退院後、母の言葉に救われたワケ
いびきの聞こえる居間で、陣痛の間隔を数えていた
娘が生まれたのは、ずいぶん前のことです。実家は遠く、私は里帰りをしませんでした。
初めての出産で気持ちに余裕がなく、夫には、義実家への連絡は生まれてからにしてほしいと頼んでいました。
それでも陣痛が始まったと伝えると、夫は心配になったのか義母へ連絡しました。
義母はその日のうちに家まで来てくれました。初孫が生まれるのがうれしくて、じっとしていられなかったのだと思います。
病院へ電話をすると、「まだ来なくても大丈夫ですよ。しばらく様子を見てください」と言われました。
その夜、夫と義母は居間で休んでいました。二人のいびきが交互に聞こえるなか、私は時計を見ながら陣痛の間隔を数えていました。
(なんで2人とも寝てるの)
正直、私は違和感を感じていました。
夜中になると痛みが強くなったため、もう一度病院へ電話しました。
今度は来るように言われ、午前三時ごろに家を出ました。
そして、その日のうちに娘は無事に生まれました。
義母も退院まで何かと気にかけてくれました。ただ、初めての育児が始まった私は、「自分でちゃんとやらないと」という気持ちでいっぱいになっていました。
母が見ていたのは、布おむつではなかった
実家の母は仕事をしていたため、退院して少したってから手伝いに来てくれました。
そのころの私は、布おむつを使い、汚れるたびに洗っていました。
娘が眠っている間にも洗濯をして、次に使う分を用意しておかなければと考えていたのです。
母が来た日も、私は洗面所で布おむつを洗おうとしていました。洗濯かごには、まだ何枚か残っています。
それを見た母が言いました。
「今日はもう洗わなくていいよ。明日に回せばいい」
「でも、これくらいはやらないと」
私がそう返すと、母は少し笑いました。
「なくなったら別のを使えばいいんだから。全部今日やらなくていいの」
そう言って、母は洗濯かごを私の手から受け取りました。
手伝ってもらえたことより、「やらなくていい」と言われたことのほうが、私には大きかったのを覚えています。
母は台所へ行き、簡単な食事を作ってくれました。夜になると、布団を敷きながら「今は寝られるときに寝なさい」とだけ言いました。
義母からも、そのころ電話がありました。
「ちゃんと眠れてる?」
出産前の夜は、きっと義母もどうしていいのか分からなかったのでしょう。少し時間がたってから、その言葉を素直に受け取れるようになりました。
娘はもう大人です。
あのころの私は、誰かに代わってもらうことより、「今日はやらなくていい」と言ってもらうことを必要としていたのだと思います。
もし娘がいつか同じように何かを抱え込んでいたら、私も言いたいです。
「全部、今日やらなくてもいいよ」と。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














