「気のせいだよ」湯船で突然冷水を浴びせられた私が祖父に詰め寄った瞬間→嫌がらせの証拠が掴めない静かな恐怖
同居して半年で気づいた小さな違和感
父方の祖父と二人暮らしを始めて半年。最初は穏やかな同居だった。
祖父は朝食を一緒に食べ、夜はテレビを観ながら茶を啜る。介護が必要なほどではなく、自分のことは自分でできる。
歪みに最初に気づいたのは、ささいなことだった。
洗面所の電気が、戻ると消えている。
買い置きの調味料が、いつの間にか置き場所をずらされている。
気のせいかな、と思える程度。
けれど積み重なる頻度が、私が祖父に注意を向けてからじわじわ増えていった。
そして、ある夜のことだった。
仕事帰り、シャワーの吐き出し口が「カチン」と音を立てて止まった。
身体の周りの湯までが、見る見るうちに冷えていく。給湯器が落ちている。
脱衣所のドアを開け、素肌が震えるなか、私はタオルを巻いてリビングに向かった。
穏やかな笑顔の中にだけ残る違和感
祖父は和室でこたつに入り、湯呑みを両手で温めながらテレビを見ていた。
濡れた髪のまま、震える声で問いかけた。
「おじいちゃん、いまお風呂の電源、切らなかった?」
祖父はゆっくりこちらを向いた。表情に動きはない。
「気のせいだよ」
その言葉に、私は息を呑んだ。
「いやでも、消えてて」
食い下がった私に、祖父は湯呑みを置いて優しく目を細めた。
「最近、お前も疲れてるんじゃないか。仕事が大変なんだろう」
こちらの体調を案じる口ぶりだった。
その夜から、同じことが繰り返し起きた。
慌てて確認すれば、いつも消えている。
そのたびに祖父は「気のせいだよ」と笑った。
家にカメラを仕掛けるわけにもいかない。
直接「やった」現場を押さえないかぎり、この穏やかな笑顔の中身は、誰にも証明できない。
怒鳴ってくれた方が、まだ楽だった。罵声には罵声で返せる。
けれど祖父は穏やかに「気のせいだよ」と言うだけ。
私の感覚を否定し続けることで、こちらが少しずつ自信を失っていく。
夜、湯船で目を閉じるたびに、後ろから誰かが見ているような気配を感じる。
同じ家にいる血縁の人を、こんなにも遠く感じるなんて思わなかった。証拠のない悪意は、罵声よりずっと冷たかった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














