「この妹がくっついてくる」私の誕生日に目の前で彼が妹と料理している。微笑ましい光景なのに、別れを決意した理由
兄離れできない妹の存在
長く付き合ってきた親友から、若かった頃の恋愛話を聞いたときのことです。
彼女に当時の交際相手がいて、その家庭にはお兄ちゃん大好きな妹さんがいました。
妹さんは、兄が誰と付き合うのも基本的に気に入らないタイプ。お兄ちゃんが自分のものでなくなることを、本気で嫌がる人だったそうです。
親友はそれを「妹さんがいる人ってこういうものなのかな」と前向きに受け止め、彼自身の優しさに惹かれて交際を続けていました。
転機になったのは、彼女のお誕生日でした。
彼が「腕によりをかけて料理を作りに行くよ」と申し出てくれて、彼女の家でふるまってくれることになったのです。
「ようやく、ふたりだけのお祝いができる」
そう楽しみにしていた当日、玄関のチャイムが鳴って開けると、後ろにはあの妹さんが当然のように立っていたといいます。
台所から聞こえてきた笑い声
親友の家にもかかわらず、妹さんは我が物顔でリビングを通り抜けて台所へ。エプロンを取り出して、兄の横でとんとんと包丁を握り始めました。
「お兄ちゃん、これどうやって切るの」
主役であるはずの親友が手伝いに入ろうとすると、妹さんからは冷たい視線。
「狭いから」と居場所を譲ってもらえなかったといいます。
誕生日の主役が、自分の家のリビングのソファで、ひとりぽつんと待つ。台所からは兄妹の楽しそうな笑い声だけが聞こえてくる。そんな異様な時間が、ずっと続きました。
テーブルには、彼女が前日から準備していた花瓶のミニブーケと、お気に入りの食器。
誰のために飾ったのか分からなくなるほどに、その光景は浮いていたといいます。
耐えきれずに親友が彼にひとこと言うと、振り返った彼の口から出てきたのは謝罪でも釈明でもありませんでした。
「甘えっ子だから」
親友はその瞬間、頭の中で答え合わせが終わったといいます。
「この妹がくっついてくる」
結婚して家族になったら、節目の食卓も家事の場面もずっとこの妹が割り込んでくる。
彼は「甘えっ子」のひとことで全てを流すのだろう、と。
誕生日の翌週、親友は別れを切り出しました。
理由は彼への怒りではなく、未来の自分が立つ台所に妹さんが当たり前のように立っている光景が、はっきり見えてしまったから。
聞いていた私も、ため息が出るような結末でした。
「優しい人を見つけるのも難しいけど、優しさが誰に向いているかを見極めるのはもっと難しい」と、親友はぽつりとこぼしていました。彼女のあのお誕生日の話は、私の中でいつまでも消えない一場面になっています。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














