「ぜひこれをプレゼントしたい」交際中ずっとサプライズが続いた元彼→別れ話で告げられた一言に絶句
贈ること自体が好きだった彼
30代になってお付き合いした彼は、とにかく「贈ること」が大好きな人でした。
一目惚れだったと告白してくれた日から、私の誕生日や記念日はもちろんのこと、何でもない火曜日の夜にも玄関前で花束を抱えていることがあるようなそんなタイプ。
彼の手のひらは、いつも何かを差し出す形をしていました。
休日のショッピングに付き合ってもらうと、私が雑貨屋でそっと手に取った小皿を、彼は決して見落としません。
私が棚に戻したあと、別の通路でゆっくり時間をつぶしているふりをしながら、レジへと向かう彼。
「ぜひこれをプレゼントしたい」
会計を終えて笑顔で差し出される包みは、いつもさっきの小皿でした。
そのたびに「自分で買うから」と返そうとしましたが、彼にとっては喜んでくれない私のほうが、ずっと寂しそうだったのです。
「俺がしたいんだから、いいの」
その言葉に押されて、いつしか私は素直に受け取るようになりました。
付き合いが何年か続くうちに、彼から贈られたものは私の部屋のあちこちに増えていきます。
香水、アクセサリー、洋服、コーヒーカップ、小さなキャンドル。
どれも、彼との思い出の一場面が紐づいていました。
別れ話の数日後、画面に並んだ短いメッセージ
そんな関係がぐらついたのは、ちょっとした言い合いがどんどん大きくなった、ある夜のこと。
普段なら笑って流せるはずのすれ違いが、その日は止められなくなりました。
声がかすかに震えるところまで来たとき、彼の口から別れの二文字が出ます。
感情のままに、私もそれを受け入れました。
連絡を絶って、自分の中で気持ちを整理していた数日後。
スマホの画面に、彼からの短いメッセージが届いたのです。
「今まであげたプレゼント、全部返してくれない?」
画面を見つめたまま、しばらく動けませんでした。
(え?)
(全部、返す?)
記念日の花束は、もちろん残っていません。
けれど、香水もアクセサリーも、私の生活の中に確かに居場所をもらっていたものたち。
あんなに嬉しそうに「ぜひこれをプレゼントしたい」と差し出してきた、あの笑顔。
あの瞬間の彼の気持ちは、いったい何だったのでしょうか。
絶句、というのはこういう感覚なのだと思いました。
怒鳴り返す気力も、引き止める気持ちも、するりと抜け落ちていって、ただ淡々と返信を打ち込みます。
「分かった。まとめておくね」
段ボール一箱に並べた品々を、ガムテープでそっと封じる。
箱が玄関に置かれた瞬間、私の中の数年間も、一緒に箱の中へ畳み込まれていったような気がしました。
プレゼントって、返すものなんでしょうか。
その問いの答えは、いまも見つからないまま、心のどこかに静かに残り続けています。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














