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2026.05.12(Tue)

「もう来ないよう伝えてもらえませんか」温厚な知人から届いた苦情→紹介した長男のせいで失った縁のむなしさ

「もう来ないよう伝えてもらえませんか」温厚な知人から届いた苦情→紹介した長男のせいで失った縁のむなしさ

仲人を通さずに通い続けた縁談相手

長男のほうから「いい相手がいたら紹介してほしい」と頼まれて、私は長年付き合いのあった知人にお声がけした。

お見合いの席は静かに終わった。

雰囲気は悪くなかったように見えたけれど、後日、知人を通してお嬢さんから断りの返事が届いた。

理由は深く聞かない。それが大人同士の礼儀だと思ったからだ。

その返事を、私は長男に丁寧に伝えた。

けれど長男は、断りを断りとして受け取らなかった。

仲人である我が家には何の連絡もないまま、休日ごとに、ひとりで知人の自宅へ通うようになっていた。

朝早くから車を走らせ、玄関先で「ちょっと話を」と粘る。

お嬢さんを呼ぶよう頼み込み、出てこなければお茶だけでもと玄関に居続ける。

両親からも祖父母からも、人生で一度も叱られたことのない人だった。

「断られたから引く」という発想が、最初から備わっていなかったのだろう。

知人の家のインターホンは、毎週末その音を響かせるようになっていた。

玄関先で目を合わせなかった知人

ある夜、知人から電話があった。

普段は冗談を交えながら穏やかに話す人なのに、その日の声は、はっきりと固かった。

「もう来ないよう伝えてもらえませんか」

言葉そのものは丁寧だった。

怒鳴り声でも、責める口調でもない。けれどその静けさのなかに、限界まで我慢した人だけが出せる重さがあった。

私は受話器の前で、なんとお詫びを伝えていいか分からないまま、ひたすら頭を下げ続けた。

翌日、私はお詫びのお金を包み、知人の家を訪ねた。

玄関先で深く頭を下げ、紹介した立場として、本家への申し訳のなさをひと言ひと言、絞り出すように伝えた。

知人は、受け取りはしてくれた。

けれど、最後まで私の目を見ようとはしなかった。

普段なら必ずお茶でも、と言ってくれる人なのに、その日は「いえ、もう」とだけ口にして、玄関のドアを静かに閉めた。

長男にも、私から強く事情を伝えた。

けれど返ってきたのは「そんなに迷惑だったかな」のひと言だった。

誰かが嫌がっているという事実そのものが、彼の中ではうまく像を結ばないようだった。

あの日以来、知人とは年賀状ひとつ交わせなくなった。長年こちらの愚痴を笑って受け止めてくれた人を、私はひとり、自分の紹介のせいで失った。

誰かが声を荒げたわけでもない、誰かが裏切ったわけでもない。

それなのに大切な縁が、静かに音もなく切れていく。あの玄関先の閉まる音が、今も胸の奥で時々鳴る。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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