「お湯入れるだけだから」義姉の食事担当日に出される即席麺の山→家族の健康を考える私の中に残るモヤモヤ
義姉の担当日、台所に響くお湯の音
夕方の台所から、シューッとお湯が沸き立つ音が聞こえてきました。
義姉の食事担当日、私は仕事を終えて玄関を開け、エプロンを着ける必要のない夕方を、少しだけ楽しみにしているはずでした。
「もうすぐご飯ができるよ」
義姉が台所から振り返り、明るい声で告げてくれます。
家族みんなで担当を分担している、二世帯の食卓。
「お湯入れるだけだから」
義姉が、湯気の立つ大鍋の前で笑いながら、嬉しそうにそう続けました。
覗き込むと、湯気の中に並んでいるのは、即席ラーメンの麺だけ。
具材は、ねぎひと切れも入っていません。
子どもたちは「やったー、ラーメン!」とテーブルにつき、義父も「いつでも嬉しいねぇ」と笑顔で席に着きます。
私の中だけ、ふっと胸の奥に小さな砂粒が落ちる音が聞こえました。
私の担当日に並ぶ三品と、義姉の担当日のどんぶり一杯
私の担当日は、いつも献立をきっちり組み立てるところから始まります。
メインの魚か肉、副菜を二種類、それに必ず汁物。
子どもたちに野菜を取らせたくて、彩りのいい小鉢を並べるのが私のささやかな楽しみです。
義姉の担当日に並ぶのは、即席ラーメン、即席そば、即席うどんのローテーション。
共通して、麺の上に乗るのはお湯と粉末スープだけ。
具なしの即席麺が、家族の夕食として何度も繰り返されていきます。
義姉に、悪意はありません。
「手間をかけたくない」そのスタンスが、ただただ正直に、食卓の真ん中に置かれているだけです。
義姉は仕事のできる人で、外では同僚から「気が利く先輩」と呼ばれるタイプだそうです。
本気で具材を入れる方法を知らないわけがありません。
つまり、家庭の食卓に「自分の労力を使いたくない」という線が、はっきり引かれているのが見えてしまうのです。
夫にちらりと話してみても「姉貴、昔からそうなんだよ」と苦笑いするだけ。
義父も義母も、出されたものはありがたく食べる方針で、誰も声を上げません。
私は、また自分の担当日の献立を考え始めます。
家族の健康を、自分の担当日にだけ気にかけ続ける夕方が、月のうちに何度か繰り返されていく。
解決の糸口は、まだ見えません。
けれど、もし誰かが「そろそろ具を入れてもいいんじゃない?」と、軽い口調で言ってくれる日が来たら、と。
そんな小さな期待だけを、私は胸の砂粒の隣にそっと置いて、今日も家族の夕食に向かっているのです。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














