「親にそんな大金出してもらうのはどうなの?」母から50万円を援助された私。だが、弟に母が返した思いがけない言葉
母が背中を押してくれた買い替え
毎日使っていた車が、走行中に突然止まってしまいました。
修理には80万円以上かかると言われ、私は何日も悩んでいました。
また同じことが起きたらと思うと怖いものの、買い替えるとなれば大きな出費です。
そんな私を見かねた母が、声をかけてくれました。
「また車が止まったら危ないでしょう。買い替えなさい。50万円だけ出すから」
「えっ、そんなに出してもらえないよ」
驚いて遠慮しましたが、母は「心配だから」と言ってくれました。
申し訳ない気持ちもありましたが、今回はその言葉に甘えることにしました。母から50万円を援助してもらい、残りは自分で支払って新しい車を購入したのです。
その車で初めて実家を訪ねた日の昼のことでした。
玄関の前に車を止めると、ちょうど来ていた弟が家から出てきました。
「あれ、車変えたんだ」
「うん。前の車が壊れちゃってね」
最初は普通に話していたのですが、弟は車をしばらく眺めたあと、こんなことを聞いてきました。
「これ、母さんがお金出したんでしょ?」
「うん、50万円出してもらった。母さんのほうから言ってくれて」
すると、弟の表情が曇りました。
「えっ、50万も?母さんに頼んだんじゃないの?」
「違うよ。母さんが心配してくれたの」
「でもさ、親にそんな大金出してもらうのはどうなの?」
その言い方に、私は戸惑いました。
もちろん、母に負担をかけたことは分かっています。それでも、自分からお金を要求したかのように言われるのは納得できませんでした。
「だから、私から頼んだわけじゃないって」
そう説明しても、弟は不満そうな顔のまま家の中へ入っていきました。
母が弟に返した、静かな問いかけ
私も遅れて居間に入ると、母が座卓の前に座っていました。弟はその向かいで腕を組んでいます。
私が座ると、弟は母に向かって言いました。
「母さん、姉さんに50万円も出したんだって?」
「そうよ。私から出すって言ったの」
「姉さんばっかり、ずるいよ。母さんは昔から姉さんに甘いんだ」
母は少し驚いたような顔をしましたが、声を荒らげることはありませんでした。
「頼まれたわけじゃないのよ。車が急に止まったって聞いて、心配だったから」
「それは分かるけどさ…」
弟はまだ納得していない様子でした。
すると母は、少し間を置いてから言いました。
「ねえ、あなたが仕事をしていなかったころのこと、覚えてる?」
「え?何の話?」
「あなたの年金を2年払っていたのは、誰だと思う?」
弟は何も答えませんでした。
母は続けました。
「あのときは私が払ったでしょう。あなたのことだって、助けてきたつもりよ」
弟はうつむき、しばらく黙っていました。
私はその様子を見ながら、何も言えずにいました。
母は、弟が仕事をしていなかった時期に、2年間も年金を支払っていたのです。
弟にも母から援助を受けた過去があったと分かり、私だけが特別扱いされているわけではないのだと感じました。
その後、弟は車の話を持ち出すこともなく、居間は静かなままでした。
帰り支度をして玄関へ向かうと、弟も出てきましたが、私とは目を合わせず、そのまま先に帰っていきました。
それ以来、弟が私の車について何か言ってくることは一度もありません。
私も、あの日のことをわざわざ蒸し返すつもりはありませんでした。
帰り際、母に改めてお礼を伝えると、母は新しい車を見ながら「これでもう安心ね」とほほえみました。
母が心配してくれた気持ちを忘れずに、大切に乗っていこうと思いました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














