「風で飛んでくるものまで言われても困るんです」落ち葉を片付けない向かいの奥さん。だが、近所の女性の一言で態度が変わった
向かいの家から飛んでくる落ち葉
わが家の向かいに新しい建売住宅ができ、ある家族が引っ越してきました。
庭には最初から木が植えられていたのですが、道路側は窓の少ない壁になっていて、住んでいる人からは木の様子が見えにくそうでした。
困ったのは、風が強く吹いた翌朝です。
向かいの木から飛んできた落ち葉が、わが家の玄関先や駐車場に大量にたまるのです。
掃いてもまたすぐに落ち葉がたまり、毎朝の掃除が負担になっていました。
ある朝、家のそばのゴミ置き場で向かいの奥さんと顔を合わせたので、思い切って声をかけました。
「すみません。お宅の木の葉っぱが、うちの玄関のほうによく飛んでくるんです」
「え、うちの木ですか?」
「はい。落ち葉の形も同じなので…。少し気にしていただけると助かるんですが」
すると、奥さんは少し困ったような顔をしました。
「でも、風で飛んでくるものですし。うちの葉っぱとは限らないですよね?」
「そうですけど、毎朝かなりの量なので…」
「そこまで言われても、ちょっと困ります」
奥さんはそう言ってゴミ袋を置き、家に戻ってしまいました。
落ち葉を一枚残らず拾ってほしいわけではありません。ただ、少しでも気にかけてもらえたらと思っていただけに、残念でした。
ゴミ出しの朝、近所の奥さんが見せた一枚の葉
それからも状況は変わらず、わが家の前には落ち葉がたまり続けました。
向かいの奥さんとゴミ出しで会うこともありましたが、以前の話に触れることはありませんでした。
そんなある朝、いつものように掃き集めた落ち葉の袋をゴミ置き場へ持っていくと、ちょうど向かいの奥さんも来ていました。
私の袋を見た奥さんが、少し不機嫌そうに言いました。
「また落ち葉ですか?」
「ええ、今朝も結構たまっていて」
「でも、それがうちの葉っぱかどうかは分からないですよね」
「前にもお話ししましたけど、同じ形の葉っぱなんです」
「だから、風で飛んでくるものまで言われても困るんです」
また同じ話になってしまい、私はそれ以上どう言えばいいのか分からなくなりました。
そこへ、昔からこの辺りに住んでいる近所の奥さんがゴミ袋を持ってやって来ました。
やり取りが聞こえていたのか、近所の奥さんはわが家の前に落ちていた葉を一枚拾うと、向かいの奥さんに見せました。
「この葉っぱ、お宅の木と同じ形ですよね」
向かいの奥さんは、差し出された葉をじっと見ました。
「ああ…そうかもしれませんけど」
「この辺りでその木があるのは、お宅くらいじゃないかしら。私もほかでは見かけないから」
そう言われると、向かいの奥さんはしばらく黙っていました。
「……分かりました」
小さくそう答えると、奥さんはそれ以上何も言わず、家へ戻っていきました。
近所の奥さんは拾った葉を私の袋に入れると、「毎朝だと大変よね」と声をかけてくれました。
次の週末、向かいの家を見ると、道路側の木の枝が短く切られていました。
それからは、わが家の玄関先にたまる落ち葉もぐっと少なくなったのです。
後日、近所の奥さんに会ったとき、お礼を伝えました。
「この前はありがとうございました。落ち葉がずいぶん減って、助かっています」
「あら、よかったわね」
そう言って、奥さんは笑ってくれました。
向かいの奥さんから謝罪があったわけではありません。それでも、木の手入れをしてもらえたことで、毎朝の掃除がずいぶん楽になりました。
何度説明しても伝わらなかったことが、一枚の葉をきっかけに変わったのが印象に残っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














