「私と係を代わってくれない?」仲良しママだけで広報係を固めたボスママ。数か月後、私に頼み込んできた理由
親切な言葉を信じて選んだ係
私が若いころ、子どもの保育園では、保護者が行事の係か広報の係のどちらかに入る決まりがありました。
係決めの前、私はどちらを選べばいいのか迷っていました。
そんなある夕方、お迎えの帰りに門の前でボスママに声をかけられました。
「係、もう決めた?」
「いえ、まだ迷っていて。どっちがいいんでしょうね」
「それなら行事にしたら? あっちの方が楽だと思うよ」
「そうなんですか?」
「うん。私だったら行事にするかな」
そこまで言うなら大丈夫だろうと思い、私は行事の係を選びました。
ところが、後日配られた名簿を見ると、広報の係にはボスママと仲のいいママたちの名前ばかりが並んでいました。
お迎えのとき、門の前で名簿を見ていると、ボスママが近づいてきました。
「行事にしたんだね」
「はい。勧めてもらったので」
「よかったじゃない。こっちは仲のいい人たちで集まったからさ」
そばにいたママたちも笑っていました。
そのとき初めて、私を広報の係に入れたくなかったのかもしれないと思いました。
それまで特に仲が悪いと感じたこともなかったので、正直ショックでした。
けれど、今さら何か言っても仕方がありません。私はそのまま子どもと帰りました。
数か月後、突然頼まれたこと
それから数か月がたちました。
行事の係では、それぞれが得意なことを分担し、相談しながら準備を進めていました。
最初は不安だった私も、気づけば活動を楽しめるようになっていました。
ある日の夕方、保護者の部屋で打ち合わせのメモをまとめていると、ボスママが入ってきました。
「行事の方は楽しそうでいいわね」
「そうですね。みんなで協力できているので」
「いいなあ。こっちは全然まとまらなくて」
話を聞くと、広報の係では意見が合わず、締め切りにも遅れているとのことでした。
「仲がいいからうまくいくと思ったんだけどね。もう疲れちゃった」
「それは大変ですね」
するとボスママは、少しためらったあとで言いました。
「ねえ、よかったら私と係を代わってくれない?」
「えっ、今からですか?」
「うん。あなたなら広報でもうまくやれそうだし。どうかな?」
私は驚きました。
あのとき、行事の係を勧めてきたのはボスママ自身です。それなのに、今度は自分が大変になったから代わってほしいと言うのです。
私は少し考えてから答えました。
「楽な方を勧めてくれたのは、あなたですよ」
「……まあ、そうだけど」
「おかげで今は楽しくやれていますし、私もこのまま最後まで続けたいです」
ボスママはしばらく黙っていましたが、やがて小さくうなずきました。
「そうよね。急にごめんね」
そう言って部屋を出ていきました。
廊下で待っていた広報のママたちに何か聞かれたようでしたが、首を横に振る姿が見えました。
その後も私は、行事の係のママたちと最後まで楽しく活動を続けました。卒園後も付き合いが続くほど、気の合う人たちに出会えたのです。
一方、ボスママとは顔を合わせればあいさつをする程度の関係になりました。
あのときは仲間外れにされたようで悲しかったけれど、結果的には自分に合った係を選べてよかったと思っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














