「兄貴は稼いでるんだし、別に困ってないだろ」10万円を返さず買い物を続ける弟。だが、父の一言で黙りこんだ理由
何度聞いても「来月返す」の繰り返し
夜、自宅の居間で、私は弟とのメッセージを見返していました。
「来月には返すから」
画面には、似たような返事が何度も残っています。
弟に貸した10万円は、3年たっても返ってきていませんでした。
始まりは3年前。
当時25歳だった弟から、生活費が足りないと相談されたことでした。
「兄ちゃん、悪いんだけど、10万円貸してくれない?」
「10万円?そんなに足りないの?」
「今月ちょっと厳しくてさ。来月の給料が入ったら返すから」
弟は昔からお金の管理が苦手だったので、正直迷いました。それでも、返すと約束した言葉を信じて、銀行振り込みで10万円を送りました。
ところが、翌月になっても入金はありません。
「この前の10万円、そろそろ返せそう?」
「ごめん、今月も厳しい。来月には返すから」
その後も何度か催促しましたが、返事はいつも同じ。やがて、メッセージを送っても返事が来なくなりました。
弟だからこそ信じたのに。返済がないこと以上に、約束を曖昧にされ続けることが残念でした。
父に見せた3年前の振り込み記録
実家に顔を出すと、弟が新しいスニーカーやゲームを持っていることがありました。
そんな買い物をする余裕があるなら、少しでも返してほしい。そう思って弟に注意すると、母は決まって私をたしなめます。
「お兄ちゃんなんだから、細かいこと言わないの」
弟も、あまり気にしていない様子でした。
「兄貴は稼いでるんだし、別に困ってないだろ」
確かに、今すぐ10万円がないと生活できないわけではありません。でも、だからといって返さなくていい理由にはならないはずです。
そんなある年のお盆の昼、家族が実家の居間に集まったときのことです。
弟は新しいスニーカーを箱から出し、両親に見せていました。
「これ、いいでしょ。今度出るゲームも予約してるんだ」
その言葉を聞いて、私はもう黙っていられませんでした。
携帯電話を取り出し、3年前の振り込み記録と、弟とのメッセージを父に見せました。
父はしばらく画面を確認してから、弟に聞きました。
「お前、これ、まだ返してないのか?」
「……まだだけど。返すつもりではいるよ」
「返すつもりって、もう3年だろ」
弟が言葉に詰まると、父は少し厳しい口調で続けました。
「新しいゲームを買う前に、兄ちゃんに返せ」
「いや、でも……」
「来月には返すって、自分で書いてるじゃないか」
弟は何か言いかけましたが、それ以上は言葉が出てこないようでした。
助けを求めるように母を見ましたが、母も気まずそうに目をそらしたままです。
結局、弟はスニーカーを手にしたまま、黙りこんでしまいました。
その場で弟は、毎月少しずつ返していくと父の前で約束しました。
そして翌月、私の口座には弟の名前で最初の振り込みが入っていました。
まだ全額が返ってきたわけではありません。それでも、3年間止まっていた返済がようやく始まり、少しほっとしました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














