「専業主婦より楽でしょ」と家事を見くびる夫。だが、1日家事を任せた結果
見くびられた毎日
共働きなのに、家のことはほとんど私が抱えていた。それなのに、夫の口ぶりはいつも軽い。
「俺もやってるから、専業主婦より楽でしょ」
残業を終えて帰っても、休む間もなく夕飯の支度に取りかかる。その横で、夫はテレビを見て笑っている。
「楽だと思うなら、たまには代わってよ、言うほどやってないよね」
「いいよ。やってって言われたら、いつでもやる」
言葉だけは威勢がいい。でも、実際に動いたためしは一度もなかった。
仕事と家事に追われる日々に、私の中で、小さな不満が静かにたまっていった。
そんな矢先、週末に体調を崩して、ベッドから起き上がれなくなった。
「今日は、家のこと全部頼める?」
「まかせろって。これくらい、なんてことない」
想像と違う一日
横になっていると、夫の苦戦が、隣の部屋から漏れ聞こえてきた。
「なあ、洗剤ってどこだっけ」
朝から、そんな質問が飛んでくる。洗濯物はたまっていて、夫はその山を前に、途方に暮れていたようだ。
掃除を始めたかと思えば、今度は買い物リストとにらめっこ。
スーパーから戻ったあとも、買ってきた食材を前に、しばらく手が止まっていたようだった。どこに何を仕舞えばいいのか、分からなかったらしい。
昼食を用意するころには、夫の声から、すっかり余裕が消えていた。一つ片づけても、すぐ次の家事が顔を出す。洗い物に食事の支度、散らかった部屋。午後になっても、家の中はちっとも片づく様子がない。
夕方には、台所から焦げたにおいが流れてきた。
「あっ、しまった……」
鍋を慌てて火から下ろす音。
段取りを知らない夫は、何をやっても後手に回っていた。気づけば外は暗くなり、家のあちこちが、やりかけのままだった。
立ち尽くす背中
夜、体を起こして居間へ行くと、夫が台所に立ち尽くしていた。
流しの洗い物、出したままの食材、たたまれていない洗濯物。
その光景を、疲れ切った顔でぼうっと眺めている。
「こんなにやることあるんだな」
朝の自信は、すっかり消えていた。夫はソファに崩れるように腰を下ろす。
「これ、毎日ひとりで回してたのか」
ぽつりと漏れたのは、完全な白旗だった。
「だから、楽じゃないって言ってたでしょ」
私が静かに返すと、夫はばつの悪そうな顔で、深くうなずいた。
「ほんと、なめてた。ごめん」
その週末を境に、夫の態度は明らかに変わった。皿洗いも洗濯も、言われる前に手を動かすようになったのだ。やり方はまだぎこちないけれど、「楽でしょ」というあの一言は、もう二度と出てこない。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














