「母さんの家、直すことにしたから」義実家のリフォーム代を勝手に出そうとした夫。あまりの金額に思わず絶句
相談もなく決まっていた話
義父が亡くなってから、二度目の冬を迎えた頃のことです。
夕食を食べていると、夫が思い出したように口を開きました。
「母さんの家、直すことにしたから」
私は箸を止め、夫の顔を見ました。
義母が一人で暮らしている実家は、築年数が古く、以前から屋根や水回りの傷みが気になっていたそうです。
「直すって、どこを?」
「屋根と風呂、それから台所。見積もりは500万円くらい」
あまりの金額に、すぐには言葉が出ませんでした。
さらに驚いたのは、夫がすでに業者と具体的な話を進め、リフォームローンの相談までしていたことです。
「そんな大きなお金のこと、どうして先に相談してくれなかったの?」
私が尋ねると、夫は不思議そうな顔をしました。
「自分の母親のことなんだから、俺が何とかするのは普通だろ」
義母を助けたいという気持ちは、私にも理解できます。
けれど、返済によって影響を受けるのは、夫だけではありません。毎月の生活費や貯金、これから必要になるお金にも関わる話です。
それを相談する必要がないと言われたことが、私は何よりもショックでした。
負担するのは誰なのか
後日、夫が持ち帰った見積書を確認すると、工事内容は屋根の補修や浴室の交換、古くなった台所設備の入れ替えなどでした。
たしかに、いずれ修理が必要になる箇所だったのだと思います。
ただ、500万円をすべて私たちが負担することには、どうしても納得できませんでした。
夫には、きょうだいがいます。
そこで私は、義母本人の希望や貯蓄状況を確認し、きょうだいも含めて一度話し合うべきだと伝えました。
「母さんにお金を出させるつもりなのか?」
夫は不機嫌そうに言いました。
「そうじゃないよ。誰が、どこまで負担できるのかを確認したいだけ。私たちだけで決められる額ではないでしょう」
私たちには、まだ自宅の住宅ローンが残っています。
家電の買い替えや将来のための貯金も必要です。そこへ新たな返済が加われば、家計に余裕がなくなるのは明らかでした。
話し合いは何度も平行線になりました。
夫は、義母に不自由な思いをさせたくないと言います。
私は、義母への援助そのものに反対しているわけではなく、夫婦のお金を一人で決めないでほしいと伝え続けました。
工事を始める前に
最終的に、夫はローンの申し込みをいったん見送ることにしました。
義母と夫のきょうだいにも事情を話し、家の状態をあらためて確認することになったのです。
すぐに直す必要がある屋根の一部だけを先に修理し、台所や浴室については、義母の希望を聞きながら順番に検討することになりました。
費用についても、義母の貯蓄から無理のない範囲で出し、残りは夫ときょうだいで分担する方向になりました。
結果として、当初の500万円をすべて私たちが借りる話はなくなりました。
それでも、私の中に残ったわだかまりが、すぐに消えたわけではありません。
義母の家を直すことよりも、夫が私に相談する必要はないと考えていたことが、今でも引っかかっています。
家族を助けたい気持ちは大切です。
けれど、そのために夫婦の生活へ影響が出るのなら、決める前に話し合うのが当然ではないでしょうか。
あの出来事をきっかけに、私たちは大きなお金を動かすときのルールを決めました。
一定額を超える支出や借り入れは、理由にかかわらず、必ず二人で確認してから進めること。
当たり前の約束かもしれません。
それでも私たち夫婦には、その当たり前を言葉にする必要があったのだと思います。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














