「車も子どもも危ないんです」道路にネットを張って遊ぶ子どもたち。暗くなっても続く姿に感じた本音
暗くなっても続く道路での試合
夕飯の支度をしていると、窓の外からシャトルを打つ乾いた音と、子どもたちの楽しそうな声が聞こえてきます。
向かいの家の小学生の男の子と、その友だち6人ほどです。
週に2度ほど、子どもたちは家の前の道路の両端にポールを立て、バドミントンのネットを張っていました。
3対3に分かれた試合は日が暮れても続き、夜7時ごろまで遊んでいることもあります。
特に困るのは、車で帰宅したときでした。ネットの手前で止まっても、ラリーが終わるまでは道があきません。
ある晩には、飛んできたシャトルがフロントガラスのすぐ前を横切りました。
「危ないよ。車、通るからね」
「あっ、ごめんなさい!」
子どもたちはすぐにネットを脇へ寄せてくれました。注意すれば素直に聞いてくれるのですが、次の週になると、また同じ場所にネットが張られていました。
町内会長さんに相談してみると
町内の清掃の日、私は隣でほうきを動かしていた町内会長さんに思いきって相談しました。
70代くらいの、普段は口数の少ない男性です。
「向かいの子たちが、道路にネットを張って遊んでいて…。夜7時ごろまで続く日もあるんです」
子どもたちを責めたいわけではなく、どう伝えればいいのか迷っていると、会長さんは手を止めました。
「ああ、私も何度か見かけました」
「車も通るので、何かあってからでは遅いなと思って」
「そうですね。危ないのは子どもたちも同じです。私から話してみますよ」
数日後、回覧板には、道路ではなく近くの公園など安全な場所で遊ぶようお願いする紙がはさまっていました。
夕方は暗くなり、車からも子どもの姿が見えにくくなるという一文も添えられていました。
責めるのではなく、危険を伝えた
その週の土曜日、私は家の前で車を洗っていました。ふと向かいを見ると、会長さんが男の子の母親と玄関先で話しています。
「子どもたちが元気に遊ぶのはいいことなんです」
「はい…」
「ただ、道路にネットがあると、車も子どもも危ないんです。近くに公園もありますから、そちらで遊んでもらえると安心なんですが」
母親は道路のほうを見てから、小さく頭を下げました。
「そこまで考えていませんでした。すみません」
斜め向かいの家の奥さんも庭の手入れをしていて、私と目が合うと小さくうなずきました。
次の週から、夕方になると子どもたちはネットを肩にかつぎ、公園へ向かうようになりました。
「公園、広いから思いきり打てる!」
そんな声が聞こえ、通りかかった会長さんも少しだけ目を細めていました。仕事から帰った私は、久しぶりに何も置かれていない家の前の道路をゆっくり車で進みました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














