「カラスに散らかされたゴミ置き場」何度頼んでも変わらなかったアパート。大家さんに相談しても変わらず、我慢出来なかった私が取った行動
雨戸を開けると、門の前にカラス
朝、雨戸を開けると、門の前でカラスがゴミ袋をつついていました。
破れた袋から野菜くずや空き容器がこぼれ、道にまで散らばっています。
当時、うちの前は町内のゴミ置き場になっていました。
ところが、網の外に袋が置かれていたり、収集日の前の晩から出されていたりすることがあり、そのたびにカラスに荒らされていました。
隣のアパートには学生さんたちが住んでいました。私はアパートにも注意してもらえないかと思い、まずはお願いの紙をポストに入れましたが、状況はほとんど変わりません。
散らかされた日は、忘れないようカレンダーに丸をつけていました。
「また丸がついてる。今週もか」
夫がカレンダーを見て、ため息をつきました。
「ほとんど毎週なの」
このまま片づけ続けるのはつらいと思い、私はアパートの隣に住む大家さんのところへ相談に行きました。
「ゴミの出し方を、入居者さんにも一度伝えてもらえませんか」
すると大家さんは、少し困ったような顔をしました。
「でも、網はそちらで出しているんですよね」
「はい。でも網の外に置かれると、結局カラスに荒らされてしまって…」
「それなら、そちらで何とかしてもらえませんか」
翌週、もう一度お願いしましたが、返事はほとんど同じでした。
回覧板に挟まれた一枚
そこで町内会の集まりの日、私はカレンダーの丸を書き写した紙を持っていきました。
70代くらいの町内会長さんは紙に目を落とし、最初の一行を読み上げました。
「カラスに散らかされたゴミ置き場」
そして顔を上げると、集まった人たちを見回しました。
「これだけ続いていたんですね。ずっと一軒のお宅に片づけてもらっていたのは申し訳なかったです」
「私も前を通るとき、気になってたのよ」
隣の組の女性が言うと、ほかの人からも同じような声が上がりました。
話し合いの末、ゴミ置き場は次の月から公園の横へ移すことになりました。
翌週、回覧板には会長さんの名前で一枚の紙が挟まれていました。
そこにはゴミ置き場を移すことと、アパートの入居者には大家さんから出し方を伝えてほしいことが書かれていました。
会長さんはその紙を持って大家さんの家にも行き、私の前で穏やかに頼みました。
「入居者さんへの声かけは、大家さんからお願いできますか」
大家さんは紙に目を通し、少し黙ってから答えました。
「……わかりました」
翌月、ゴミ置き場は公園の横へ移りました。朝、雨戸を開けても、門の前にカラスはいません。
アパートの掲示板には、大家さんの字で「ゴミは収集日の朝に出すこと。袋は網の中に入れること」と書かれた紙が貼られていました。
公園の横までゴミを運ぶ距離は、以前より少し長くなりました。それでも、毎朝散らかったゴミを片づけなくていいだけで気持ちはずいぶん違います。
ある朝、掲示板の紙を貼り直していた大家さんと目が合いました。
「おはようございます」
そう言って先に頭を下げたのは、大家さんのほうでした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














