tend Editorial Team

2026.09.30(Wed)

「そこまで見られてるのかな」下の階から布団の苦情。会ったことのない住人が知っていた洗濯の曜日

「そこまで見られてるのかな」下の階から布団の苦情。会ったことのない住人が知っていた洗濯の曜日

布団の干し方について届いた連絡

結婚してすぐ、夫とアパートの2階で暮らし始めた。

日当たりがよく、晴れた日にベランダの手すりへ布団をかけて干すのが、私のささやかな楽しみだった。

ある週末、夫の電話に管理会社から連絡が入った。

夫は何度か相づちを打ちながら、ベランダのほうへ目をやった。

「下の階の方から、布団が垂れてきて部屋が暗く感じるというお話がありまして」

「わかりました。気をつけます」

電話を切ったあと、夫からそう聞いて、私は急に恥ずかしくなった。自分では気づいていなかったが、下の階から見れば気になっていたのかもしれない。

次に干すときから、布団の外側を短く、内側を長くして、下へ垂れすぎないようにした。

「これなら大丈夫だよね」

「うん。十分気をつけてると思うよ」

夫はそう言ったが、それから私は布団を干すたびに、手すりの下を確認するようになった。

下の階の人とは、まだ一度も顔を合わせたことがない。引っ越してきた日にお菓子を持ってあいさつに行ったものの、チャイムを鳴らしても返事はなく、玄関前に置いて帰ってきたきりだった。

2度目の電話で告げられた曜日

半月ほどたったころ、また管理会社から電話があった。今度は私が出た。

「先日の布団の件なんですが、もう少し短く干していただけないか、とのことでして」

「まだ長いですか…。わかりました」

そこで担当者が少し言いにくそうに続けた。

「それと、火曜と金曜は洗濯物の量が多い、ともおっしゃっていました」

「火曜と金曜、ですか?」

思わず聞き返した。火曜と金曜は、私のパートが休みの日だ。その2日にまとめてシーツやバスタオルを洗っているのも事実だった。

電話を切ったあとも、その言葉だけが頭に残った。

布団の長さなら、下の階から見れば分かる。

でも、洗濯物が多い曜日まで覚えられていたことに、少し落ち着かない気持ちになった。

夜、帰宅した夫に話すと、夫も少し驚いた顔をした。

「また布団のことを言われたの?」

「うん。それだけじゃなくて、火曜と金曜は洗濯物が多いって」

「曜日まで…?」

「会ったこともない人なのに、そこまで見られてるのかなって思うと、ちょっと気になって」

夫はしばらく黙ってから、「気になるけど、こっちは言われたことに気をつけるしかないね」と言った。

今も気になってしまうベランダの下

私たちは今も同じ部屋に住んでいて、火曜と金曜の洗濯も続けている。管理会社からそれ以上の連絡はない。

ただ、洗濯物を干すとき、以前より少しだけ手すりの下が気になるようになった。

私はそのまま視線を戻し、タオルの端が下へ垂れていないか、もう一度だけ確かめた。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.10.05(Mon)

「えー、かわいい!これ着る!」買い物に失敗したと思った母。数年後、娘を見て笑った理由
tend Editorial Team

NEW 2026.10.05(Mon)

「昨日のは、なんていう曲?」隣のお風呂の歌声を気にしていた私。だが、ママ友の一言で固まった理由
tend Editorial Team

NEW 2026.10.05(Mon)

「Mなら余裕だよ」とサイズ表を見なかった私。だが、届いたジャケットを長男が着て分かった勘違い
tend Editorial Team

RECOMMEND

2025.08.19(Tue)

箕輪厚介の不倫謝罪に、見城徹社長が「反省しても繰り返したらしょうがない」と一言。その『言葉の重み』にファン騒然
tend Editorial Team

2025.12.11(Thu)

「子供が受験落ちたから、お金払わないよ」と家庭教師にキレる親→子供の一言に赤面したワケ【短編小説】
tend Editorial Team

2026.09.18(Fri)

「すごい偶然ですね」何度も外で会った職場の同僚。有給の日にも姿を見つけ、夫に打ち明けた夜
tend Editorial Team