「うちの子、まだ7歳なんですよ」エレベーター前で責められた私。だが、見ていた管理人が告げた事実とは
足もとへ走ってきた男の子
買い物袋を提げて、住んでいるマンションへ戻ったときのことです。
共用玄関を入ると、突き当たりにエレベーターがあり、そのすぐ横には管理人室の窓口があります。
エレベーターは上の階へ行ったばかりだったので、私はドアの前で待っていました。
すると背後で自動ドアが開き、ぱたぱたと走る足音が聞こえました。
振り向くと、小学校に上がったばかりくらいの男の子が、まっすぐこちらへ走ってきます。
「わっ…」
そのままぶつかりそうになり、私は反射的に横へ体を引きました。
男の子は少しよろけましたが、転ぶことなく自分の足で止まりました。
ほっとして買い物袋を持ち直したところへ、30代くらいの母親が追いついてきました。
母親は男の子がよろけたところを見たようで、私に向かって強い口調で言いました。
「ちょっと、危ないじゃない!うちの子、まだ7歳なんですよ」
思いがけない言葉に戸惑いながら、私は答えました。
「急に足もとまで走ってきたので、ぶつかりそうになって…」
「謝りもしないの」と責められて
しかし、母親は納得していない様子でした。
「だからって、よけたらこの子が転ぶかもしれないでしょう」
「でも、ぶつかりそうだったので…」
そう返すと、母親は男の子を自分のそばへ寄せ、さらに声を強めました。
「謝りもしないの?」
玄関に声が響き、掲示板の前にいた年配の住人もこちらを振り返りました。
私は何と返せばいいのか分からなくなりました。
ここは私の住まいでもあり、ただエレベーターを待っていただけです。
そのとき、すぐ横の管理人室の窓口が開きました。
管理人さんが見ていたこと
60代くらいの管理人さんが出てきて、私たちのほうへ歩いてきました。
「今のところ、窓口から見えていましたよ」
母親が管理人さんを見ると、管理人さんは落ち着いた声で続けました。
「お子さんが走ってきたので、この方がぶつからないようによけただけです。まずは落ち着いてください」
「でも、この人が急によけたから…」
「お子さんも転んではいません。それに、共用部分では走らないようお願いしていますから」
管理人さんにそう言われ、母親は口を閉じました。
すると、先ほどから掲示板の前にいた住人も、小さくうなずきました。
「私も見ていました。ぶつかりそうになっていましたよ」
母親はしばらく黙ったあと、男の子の手を握りました。そして私のほうを向き、小さく頭を下げました。
「…すみませんでした」
ちょうどエレベーターが到着しました。管理人さんが開いたドアを押さえてくれたので、私は先に乗り込みました。
母親は男の子の手を握ったまま、その場で次のエレベーターを待っていました。
閉まるドアを見ながら、ぶつからずに済んだだけでもよかったのだと、ようやく胸をなで下ろしました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














