「遠足って、いつだっけ?」→自信満々だった私「金曜日。書いてあるでしょ」。翌朝、ほかの園児の荷物を見て固まったワケ
夫の前で胸を張った、遠足の準備
4歳の娘が通う保育園で、秋の遠足が決まりました。
保護者会で担任の先生から持ち物の説明があり、「毎年、お弁当を忘れる方がいるので、その場合は園で注文もできます」と聞いたとき、まわりから小さな笑い声が起きました。
私もその一人でした。
その夜、夫に遠足の話をすると、夫が冷蔵庫の横のカレンダーを見ました。
「遠足って、いつだっけ?」
「金曜日。ほら、ちゃんと書いてあるでしょ」
金曜日の欄には、私の字で赤く「遠足」と書いてあります。
園のお便りを見ながら、自分で書き写したものでした。
「朝はバタバタするし、忘れないようにね」
「大丈夫。うちは前の晩から準備するから」
水曜日の夜には卵とウインナーを買い、冷蔵庫の手前に置きました。
娘の水筒も洗い、玄関に置いたリュックの横へ。
夫には「あさってなのに、もう準備するの?」と笑われましたが、私は早めに用意しておくほうが安心する性格でした。
門の前で、先生の表情が止まった
翌朝の木曜日、私はいつも通り仕事用のジャケットを着て、娘の手を引いて保育園へ向かいました。
門では担任の先生が子どもたちを迎えています。
「おはようございます」
私が声をかけると、先生は笑顔で頭を下げかけ、ふと娘の荷物を見ました。
そして、もう一度私の顔を見ます。
そのときになって、私は気づきました。
まわりの子どもたちは、いつもの荷物とは別に、お弁当の入った手さげを持っていたのです。
「あの……お母さん。遠足、今日ですよ」
「えっ……金曜日じゃないんですか?」
「お便りは木曜日になっています」
頭の中が真っ白になりました。
どうやらカレンダーへ書き写すとき、私が1日ずらしてしまったようです。
冷蔵庫の手前に並べた卵とウインナーが、一気に頭に浮かびました。今から家へ戻って作れば、仕事にも間に合いません。
「どうしよう……すみません」
私が立ちつくしていると、先生がやさしく笑いました。
「大丈夫ですよ。お弁当は注文できますから」
「本当ですか……よかった」
思わず胸をなで下ろすと、先生が少し笑って言いました。
「今年のお一人目です」
私は何も言い返せず、ただ深く頭を下げました。
娘だけは「注文のお弁当なの?」とうれしそうに目を輝かせ、友達のところへ走っていきました。
用意したお弁当の行き先
夕方、迎えに行くと、娘は笑顔で駆け寄ってきました。
「ママ、今日のお弁当、おいしかったよ!」
「それはよかった……」
そして翌日の金曜日。
私は買っておいた卵で卵焼きを作り、ウインナーを炒めて、お弁当箱に詰めました。
そのお弁当を持って行った先は、保育園ではなく会社です。
昼休みにふたを開けると、向かいの席の同僚が笑いました。
「今日はずいぶん気合い入ってるね」
「昨日、娘の遠足だったの」
「……昨日?」
不思議そうな顔をする同僚の前で、私は何も説明せず、卵焼きをひとつ口に運びました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














