「パートで月3万円も習い事に使うなんて、無理してるんじゃない?」幼稚園の門前で陰口を続けたママに、別のママが返した言葉
幼稚園の門前で始まった陰口
幼稚園の門の前では、毎朝、子どもを送った保護者たちが立ち話をしています。
その輪の中心にいるのは、決まって40代くらいのママでした。ほかの家庭の話を持ち出しては、周りの反応を確かめるように話し続ける人です。
私も何度か話を聞いていましたが、正直、あまり居心地のいい時間ではありませんでした。
その朝、輪にいたのは私を含めて5人。
私の隣にそのママ、向かいに30代後半くらいの穏やかなママ、そのそばに同じクラスのママが2人いました。
ちょうど、別のクラスのママが子どもを門の中へ送り出し、時計を見ながら小走りで去っていきました。
すると、隣のママがその背中を見ながら、声を落としたのです。
「あの人、習い事を3つも掛け持ちしてるんだって。パートなのにね」
誰も返事をしないでいると、今度は少し声を大きくしました。
「パートで月3万円も習い事に使うなんて、無理してるんじゃない?」
「見栄を張ってるのよ。子どもがかわいそう」
私は思わず、視線を落としました。ほかの2人も困ったような顔をしています。
家庭のお金のことなんて、外からは分かりません。
それなのに、どうしてここまで言えるのだろうと思いました。
「本人がいないんだし」穏やかなママの一言
そのとき、隣のママが私の肩に軽く手を置きました。
「ねえ、あなたもそう思わない?」
突然話を振られ、私は言葉に詰まりました。
ここでうなずいたら、私まで陰口に加わることになります。
でも、面と向かって否定するのも気まずくて、すぐには答えられませんでした。
「……それは、ちょっと」
ようやくそう返すと、相手は眉を寄せました。
「何よ?」
その瞬間、それまで黙っていた向かいのママが口を開きました。
「ねえ、本人がいないんだし、そういう話はやめない?」
いつもと変わらない、落ち着いた声でした。
「私、あのママのこと少し知ってるの。習い事の送り迎えに間に合うように、朝早くからパートに出てるんだよ」
そして、少し間を置いて続けました。
「それに、家のお金のことまでは分からないでしょ。無理してるかどうかなんて、私たちが決めることじゃないと思う」
その言葉に、私も思わずうなずきました。
そばにいた2人も顔を見合わせ、口を開きました。
「うん。私も、こういう話はちょっと…」
「さっきも急いでたしね。いろいろ事情があるんじゃないかな」
それまで一方的に話していたママは、口を開きかけたまま黙ってしまいました。
「……そうね」
小さくそう言うと、気まずそうに腕時計へ目を落としました。そして、誰にもあいさつせず、その場を早足で離れていきました。
翌朝も、幼稚園の門前にはいつものように保護者の輪ができました。
けれど、少なくとも私が聞いていた間は、その場にいない人の家庭を話題にする人はいませんでした。
昨日のママは少し離れた場所で、黙って子どもを見送っていました。
あの一言で、相手が考えを改めたかどうかは分かりません。
それでも、誰かの陰口に無理して合わせる必要はないのだと、私は少し気持ちが楽になりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














