「今、改札を出た」と10時56分に送信。20分遅れて現れた私に、友人が見せたスマホ画面
布団の中から送った、ひと言のうそ
2年前の夏、20代だった私は、仲のいい友人と地元の駅前で待ち合わせをしていました。
午前11時に会い、近くのお店でパンケーキを食べる約束です。私の家からは電車でひと駅の距離でした。
ところが当日、目を覚まして時計を見ると、10時55分。
「うそ、もうこんな時間…!」
完全な寝坊でした。友人はいつも約束の10分前には着く人なので、もう駅前で待っているはずです。
焦った私は、なぜか正直に「寝坊した」と言えませんでした。
布団にくるまったまま携帯電話を握り、「今、改札を出た」と送ってしまったのです。
送信した直後、目の前に見えたのは自分の部屋の天井でした。
「いや、私まだ布団の中じゃん…」
自分でついたうそなのに、急に情けなくなりました。それでも今さら取り消すわけにもいかず、私は飛び起きました。
友人が見せてきた、10時56分のメッセージ
大急ぎで着替え、駅まで走って電車に飛び乗りました。
待ち合わせ場所へ駆け込んだころには、約束の時間を20分ほど過ぎていました。
友人は腕を組みながら、私をじっと見ています。
「ほんとにごめん!」
私は息を切らしながら頭を下げました。それでも、まだうそを認める勇気がなく、つい言い訳を続けてしまいました。
「電車がちょっと…」
すると友人は少し首をかしげ、携帯電話の画面をこちらへ向けました。
「でもさ、10時56分に『今、改札を出た』って来てるよね?」
画面には、私が送ったメッセージと送信時刻がしっかり残っています。
「そこから20分以上、どこにいたの?」
「えっと…それは…」
何も答えられませんでした。しかも友人は私の髪を見て、ふっと笑いました。
「すごい急いできたのは分かった。髪、跳ねてるよ」
反射的に頭を押さえると、後ろ髪がぴょんと立っています。
もうごまかせないと思い、私は観念しました。
「……ごめん。寝坊しました。パンケーキ、ごちそうさせてください」
「じゃあ今日はお願いしようかな」
友人はようやく笑い、二人でお店へ向かいました。
それ以来、待ち合わせの前日になると、友人から時々こんなメッセージが届きます。
「明日は、ちゃんと布団から出てから連絡してね」
見るたびに、あの日の10時56分を思い出します。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














