「はい、お母さん!」授業で先生を呼び間違えた小学2年の息子。帰宅後に聞いた理由に言葉を失った私
ランドセルも下ろさず話し始めた息子
今では大人になった息子が、小学2年生だったころのことです。
夕飯の支度をしていた私は、台所で鍋の味をみていました。
すると学校から帰ってきた息子が、ランドセルも下ろさないまま駆け込んできました。
「お母さん、今日ね、算数の時間にみんな笑ったんだよ」
「へえ。何があったの?」
「ぼくが笑われたの」
そう言いながらも、息子はなぜか得意そうです。
話を聞くと、算数の授業中、元気よく手を挙げて先生に当てられた息子は、立ち上がった勢いでこう言ってしまったそうです。
「はい、お母さん!」
教室は一瞬静かになり、その直後、みんなが笑い出しました。
息子も慌てて「ちがう、先生!」と言い直そうとしたものの、もう一度「お母…」と言いかけてしまい、さらに笑いが広がったそうです。
「先生は怒らなかったの?」
「ううん。先生も笑ってたよ。『今日はお母さんって呼ばれちゃったね』って」
40代の担任の先生が明るく返してくれたおかげで、息子も恥ずかしいというより、面白かった出来事として話せているようでした。
呼び間違えた理由を聞いてみると
私も思わず笑いました。
先生はいつもにこにこしている方です。
もしかすると、どこか私と似た雰囲気を感じたのかもしれません。
少しうれしくなって、息子に聞いてみました。
「どうしてお母さんって呼んじゃったの?先生がお母さんみたいだった?」
すると息子は少し考えてから、真顔で答えました。
「だって、玄関で怒るときのお母さんと同じ顔なんだもん」
「……え?」
思っていた答えとまるで違い、私はおたまを持ったまま固まりました。
聞けばその日、先生が宿題を忘れた子を注意している場面を見たそうです。そのときの先生の表情が、玄関で私に叱られるときの顔に見えたらしく、その印象が息子の中に残っていたようでした。
「そんなに似てたの?」
そう聞くと、息子は私の顔をじっと見ます。
「うん。……ほら、いまの顔」
そこまで言われると、もう怒る気にもなれません。私はおたまを握ったまま吹き出してしまいました。
その夜、洗面所の鏡の前で、玄関で息子を叱るときの顔を思い出してみました。たしかに、自分で思っているより少し怖い顔をしていたのかもしれません。
次の日の夕方、息子が玄関に靴を脱ぎ散らかしたとき、私はいつものように注意しながら、少しだけ表情をゆるめました。
すると靴をそろえていた息子が、こちらを見上げます。
「今日のお母さん、ちょっとやさしい顔」
その一言に、また笑ってしまいました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














